滅菌器

当院では診療器具(タービン、はさみ、スケーラー、手術着など)をオートクレープ(高圧蒸気)で滅菌処理し、ウイルスや細菌の感染を予防しています。患者さまに安心して治療を受けていただけるように万全の対策に取り組んでいます。

除菌、殺菌、滅菌の違いって?

似たような単語ですが、それぞれ違うことを意味しています。
除菌:微生物のすべて、もしくは一部を取り除くこと(殺すことではない)
殺菌:有害な微生物を殺し感染を予防すること
滅菌:全ての微生物を死滅・除去させること

以上のことから分かるように、微生物にとって最も強力なものは「滅菌」なのです。

滅菌の現状

2012年7月3日付けの日本歯科新聞に掲載されましたが、
日本歯科医学会の調査で全国の歯科医院におけるハンドピースの滅菌の現状が明らかになりました。

  • (1) アルコール清掃のみ        37.6%
  • (2) 患者さまごとに滅菌        31.4%
  • (3) 感染病患者と判明した場合のみ滅菌 27.9%

多くの歯科医院がありますが、患者さまごとに滅菌しているのは全体の31.4%しかありません。
つまり、診療器具を「使いまわし」している歯科医院が7割近くあるのです。
歯科医院に来院する患者さまの6人に1人は、何らかの感染症をもっているというデータもあります。
これらのデータから滅菌せずに治療することがどれほど危険なことかがお分かりいただけると思います。
当医院では、滅菌器を導入しており、患者さまごとに滅菌処理を実施し、安心・安全な治療を提供することに努めています。

滅菌器の種類

滅菌する対象物によって、滅菌器のクラスが分かれます。

■クラスB(Big)

チャンバー内の残留空気を抜き真空状態を作りながら、飽和蒸気を浸透させる(3回)というダブルコントロールシステムを採用する滅菌器。この高度な機能により、耐熱性のあらゆる被滅菌物を確実に滅菌することが可能。

■クラスS(Specific)

メーカーが特定し、文書化した製品に対して高度な滅菌が可能な滅菌器。

滅菌可能 被包装の中空製品(ハンドピース、バキュームチップ、シリンジノズル等)
包装/非包装の固形物(ラー、カンシ等)
滅菌不可 繊維製品や包装されている中空製品
■クラスN(Naked)

非包装の固形物のみを滅菌するシンプルな滅菌器

滅菌可能 固形物(ミラー、カンシ、バー、印象トレイ、バット、ピンセット等)
滅菌不可 固形物以外の製品(中空製品のハンドピース、バキュームチップ、シリンジノズル、繊維製品)

当医院では、使用用途に応じて最適な滅菌処理を実施するために、様々な滅菌器を備えています。

1. DAC PROFESSIONAL

あらゆる被滅菌物を確実に滅菌するクラスB滅菌器

DACprofessional画像

小型高圧蒸気滅菌器のヨーロッパ基準EN13060のクラスB規格をクリアーするシロナの「DACプロフェッショナル」は、医科用大型滅菌器の規格を満たした上で歯科用に小型化した高度なオートクレープです。

滅菌前と滅菌後の乾燥時にチャンバー内を真空状態とすることにより、通常のオートクレープでは困難な中空のもの(インプラント用インスツルメント、ハンドピース等)や多孔性のもの(ドレープ、ガーゼ等)を安全、確実に滅菌します。

2. OS・クレーブ80

小型(全自動)高圧蒸気滅菌器

OSクレーブ80の画像1

  OSクレーブ80の画像2

一度に多くの診療器具(コップ、はさみ、ピンセット等)を滅菌するときに使用しています。
スタート、乾燥、給水、滅菌、排蒸を自動で行い、運転中も静かに動きます。
自然現象を利用した乾燥機能により、滅菌器具を傷めにくい特徴も備えています。

3. ステリマスター

超スピードを誇る高圧蒸気滅菌器

ステリマスター画像

ステリマスターによる滅菌は最短6分で仕上がります。(通常の高圧蒸気滅菌器ですと乾燥時間も含めまして約30分かかります。)一度に大量の器具を滅菌することはできませんが、患者さまと患者さまの間のわずかな時間を利用して確実に、安全にそしてすばやく滅菌します。

4. ケアプラス3

ハンドピースの自動洗浄・注油に

ケアプラス3の画像

エアー回路、注水回路、チップエアー回路ともすべての回路を洗浄・注油・エアーブローします。

コントラアングルは、ギアを回転させながら確実に洗浄、注油を行います。
(※ケアプラス3は滅菌器ではありません。オートクレープ処理前や器具を長持ちさせるために洗浄・注油するときに活用します)

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