小児全般
Q21 | 乳児の哺乳ですが、どのように実施したらよいでしょうか? |
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A21 |
乳児の哺乳についての支援方針・方法の実際例をご紹介します。
※参考書籍 |
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Q22 | うちの子は構育障害があるのですが、いつからトレーニングを始めればいいですか? |
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A22 |
子どもの場合はおよそ5歳頃です。言語の先生の指示に従って、30分程度集中して課題に取り組めることが条件となります。文字が読めること、ことばを一つ一つの音のつながりとして理解できれば指導がやりやすくなります。 大人の場合は、発音を必ず治したいという目的意識がはっきりしていることが大切で、開始年齢は問いません。
構音訓練の開始条件・音の誤りが習慣化している ・自然治癒傾向が認められない ・構音障害の原因となる器質的疾患がないか、すでに医科・歯科的な対応が行われている ・構音訓練が実施できる程度の集中力があり、発達の遅れが軽度である ・構音障害による心理的ストレスが生じている可能性がある ・構音訓練を持続的に受けられる環境である
※参考書籍 |
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Q23 | 最近顎関節症が子どもにも増えているそうですが、なぜですか? |
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A23 |
かつて、顎関節症は大人の病気だと言われていましたが、最近では小学校高学年から中学生にかけて発症していることが多く見受けられます。これは、あまり噛みごたえのあるものを食べなくなったため、顎の骨や筋肉の発達が悪いことが考えられます。噛む機能に影響するだけでなく、肩こりや、頭痛などの症状と顎関節症の症状とは90%以上同じ側で起こり、顎関節症の軽快と同時にこうした症状もなくなることが多いから、顎関節症とある種の不定愁訴とは関連があると言われています。
また、頬づえや就寝癖から発症することもあり、口を動かした時に「カクッ」「ジャリ」など音がするような顎関節症の初期に態癖の指導をすることにより、自然治癒、あるいは進行を止めることが可能な場合があります。
噛み癖も顎関節症の原因のひとつです。片噛みの癖があると同じ側の顎関節が圧迫され、顎関節症になることがあります。機能的な問題を不正咬合(受け口、開咬、交叉咬合、過蓋咬合)があると噛み合わせが不安定になり、顎関節症が発症しやすくなります。ストレスが原因と考えられている就寝時の歯ぎしりやくいしばりも原因のひとつです。
幼児期から噛みごたえのある食品を食べ、顎の骨や筋肉を鍛えることと、態癖に注意することが顎関節症の予防につながります。また、ストレスをためない生活も大切です。ただし、症状がある場合には、噛みごたえのあるものを長時間食べることや、大きな口を開けることは症状を悪化させることがあるので、注意が必要です。
※参考書籍 |
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Q24 | 顔や歯並びの左右の対称性、非対称性について教えてください。 |
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A24 |
対称性・非対称性については、以下の3点が報告されています。 1.下顎顔面の非対称性はあらゆる時期にさまざまな原因から生じ、また複数の原因が同時に存在することがある。 2.原因がなんであっても、ひとたび非対称性が生じると、適応的変化と代償的変化の作用がはたらいて周囲組織に影響を与える。若年者においては成長発育の抑制や神経筋パターンの変化が起きて、非対称の継続因子となる。 3.小児期の交叉咬合では、非対称の進行と代償的な変化を防ぐために早期に改善を行うことが必要である。 人間の眼は左右対称的に存在し、内耳の両側の三半規管とともに、頭位や体位の微妙なバランス感覚を保っています。そのため、自然や物体などの対象物を見る際、左右対称なものを見ると人は安定感を感じ、それをまた美しいと本能的に感じるのかもしれません。しかし、人間はすべて対称的になっているわけではなく、心臓は左側に存在し、利き腕、利き足、利き眼、利き噛み癖があり、体躯も顔貌も歯列も全く対称的だという人を探すほうが大変です。そのため、多くの人々が少なからず非対称的な体躯や顎顔面や歯列を持っていますが、非対称はどこまで許容範囲で、どのくらいから異常なのか、そしてどこから治し、どこまで治すのか、昔も今も将来も大変難しい問題です。
このように、「正常な」非対称が「異常な」非対称になるポイントを定義づけるのは簡単ではなく、しばしばそれは臨床家のバランス感覚と患者さんのアンバランスの認識によって決められています。頭蓋複合体における臨床的な顔面非対称性は、左右の顔面半側の違いがやっとわかるレベルから大きな不一致を見るところまでの広い範囲にわたります。
非対称性の咬合異常は、遺伝的要因、環境的要因、または遺伝的要因と環境的要因の複合的な要因により発症しますが、その発症機序や発症時期も諸説様々で不明な点も多くあります。また、非対称性の咬合異常に対する治療法や治療開始時期も数多く述べられていますが、統一的な見解はありません。
※参考書籍 |
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Q25 | うちの娘は歯ぐきにメラニン色素が沈着しています。どうしたらよいでしょうか? |
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A25 |
広島大学大学院医歯薬学総合研究科 小児歯科学研究室教授 香西 克之 同 学内講師 光畑 智恵子 ■メラニン色素について生体がメラニン色素を生成するのは紫外線から自己を守るための生理的な防御反応であり、可逆的反応(元に戻る)と言われています。しかし、酸化が進むことによって皮膚ではシミとなり、歯ぐきでは黒褐色の色素沈着が見られるようになります。 歯ぐきのメラニン色素の沈着は、成人だけでなく小児にもしばしば見られるということが知られています。さらに色素沈着の広がりや濃度の状態は個人差があり、また同じ子どもであっても加齢とともに沈着度は変化します。 近年、禁煙推進運動のキャンペーンでは、受動喫煙が子どもの歯ぐきの色素沈着を誘発することが取り上げられています。しかし多くの小児の患者さんを診ていると、歯ぐきのメラニン色素の沈着があっても周りに喫煙者がいないことも多いです。逆に明らかに受動喫煙環境下にいる小児でも健康的なピンク色の歯ぐきをしており、親への禁煙の動機付けにならないこともあります。 このことに関して調査した研究では、次のような報告があります。 「色素沈着のある子どもの70%が『親が喫煙者』である一方、色素沈着のない子どもでもその35%が『親が喫煙者』であった」
埴岡 隆:子供の口腔内へのタバコによる健康影響, 小児歯科臨床, 61:397-404, 2008 ■メラニン色素が沈着している子供への対応1)色素沈着に対する処置まず歯ぐきのメラニン色素の沈着は、歯ぐきが病的な状態であるのではなく、紫外線から体を守る防御反応であることを知っておきましょう。その上で審美的な観点から除去を希望する子どもに処置をします。歯ぐきのメラニン色素沈着は粘膜表面から0.2mm程度の深さに多く分布するため、この厚みの組織を除去しなければなりません。主にレーザーによる沈着部の組織除去や歯ぐきの漂白法などが行われていますが、メラノサイトができなくなるわけではないため、歯肉沈着の原因を取り除かない限り、再び色素沈着を繰り返すことになります。 2)メラニン色素沈着を防ぐための対策臨床的には日焼け、口腔乾燥(口呼吸)、受動喫煙(副流煙)、アスコルビン酸不足などの対策をするしかありません。 この中で受動喫煙の除去は、もしそれが主な原因である場合は大きな効果をもたらしますが、最初にメラニン色素沈着の誘因がなんであるかを明確に評価することが先決で、その次に関係する誘因因子を取り除いていくべきです。 ※参考書籍
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Q26 | 赤ちゃんの発達の順序を守るためのポイントを教えてください。 |
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A26 |
※参考 床矯正研究会 |
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Q27 | 口唇の成長について教えてください。 |
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A27 | 口唇は成長に伴い摂食機能の発達によりその運動機能が口唇形態に大きく影響することから、口唇診査は乳幼児の摂食機能の発達段階を知るためのスケールとして活用できると考えられます。 口唇の形態から口唇機能の発達の遅れや低下、摂食機能以外の口腔機能の発達への影響などを推測し、さらにはその背景にある育児や保育環境での子どもの生活を想像することができます。つまり、口唇の機能はすべての口腔機能に関わっていることから、口唇を健全に成長させることは口腔機能全体の質を高めることになります。 口唇の働きは、摂食機能の咀嚼や嚥下だけでなく、鼻呼吸の管理や構音機能、表情の形成や歯列と咬合の育成にまで広く関わっていることからも乳幼児の口唇診査は大変意義のあることだと考えられます。
口唇の動き
※参考書籍 |
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Q28 | ハイハイについて教えてください。 |
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A28 | ハイハイの役割
ハイハイをしっかりするために
※参考 床矯正研究会 |
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Q29 | 離乳食はいつ与えたらよいですか? |
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A29 | 離乳食を食べるには、以下の3点に注目してください。
※授乳時間以外に欲しがる時は、一緒に遊んで授乳以外のかかわりを増やします。 遊ぶことの楽しさが、母乳離れを進めます。 離乳食の必要性
離乳食の好き嫌いの対応離乳食時の好き嫌いは咀嚼機能にあっていない場合がほとんどです。柔らかすぎても硬すぎても嫌がることがあります。 ※月齢だけでなく萌出状態にあった軟らかさ、大きさ、とろみなど調整してあげます。 ※参考文献 |
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Q30 | 卒乳の時期と方法を教えて下さい。 |
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A30 | 生後12か月が「離乳完了時期」の目標とされていましたが、現在は年齢で決めるのではなく、それぞれの親子の状況に合わせて検討する必要があります。 卒乳の条件
一般的な卒乳方法
※参考文献 |
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