他疾病の治療中の方
Q171 | 老年性症候群とはどんな症状ですか? |
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A171 |
1.認知症
2. 転倒による骨折
3. 嚥下障害a)嚥下障害に伴う脱水や栄養障害b)肺炎などの呼吸器合併症を起こしやすいc)食べる楽しみが失われる
4. 食欲低下・低栄養
5. うつ
6. 褥瘡 |
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Q172 | HAEとは何ですか? |
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A172 | HAE(遺伝性血管性浮腫)とは、Hereditary angioedemaの略で、全身に突然むくみ・腫れが起こる病気です。その症状は30分~96時間続きます。HAEは全国で約2,500人の患者さんがいると言われています。 歯の治療で唇や顎が腫れたことはないですか? また、家族にそのような症状はありませんか? これらの場合、歯を抜いてはいけません。 |
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Q173 | オーラルフレイルと口腔の関係を教えてください。 |
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A173 | オーラルフレイルとはオーラルフレイルは老化に伴うさまざまな口腔(こうくう)環境(口腔衛生など)、歯数および口腔機能の変化、さらに心身の予備能力の低下も重なり、口腔の健康障害に対する脆弱性が増加し、最終的に食べる機能の障害へ陥る一連の現象および過程と定義されています。 齢になると仕事をリタイアするなどで活動量が減り、身体機能の低下も伴って意欲が低下します。意欲の低下は口腔の健康への関心を低下させ、定期的な歯科受診をしなくなったり、セルフケアがおろそかになったりします。これにより歯周病が悪化したり、う蝕(うしょく:むし歯)が増加したりすると、痛みなどのため咀嚼(そしゃく)しなくても済むような軟らかく、食べやすいものを食べるようになります。 また、会話や外食の機会も減少し、活舌の低下、食べこぼし、わずかなむせ、噛(か)めない食品の増加など、“口の衰え”が加速します。さらに、好物が食べにくくなったり、口の中に痛みがあったりすると、食欲が低下して必要な量の食事がとれなくなり、栄養のバランスもわるくなるなど栄養状態が悪化します。 このような状態が続くと、筋肉など身体組成や免疫、代謝といった機能も保つことが困難になってきて、さらに意欲が低下するという悪循環に陥ることになります。 つまり噛めないことで、軟らかい食事を摂取すると、砂糖や塩を摂取する割合が高くなり、糖尿病や高血圧症などが悪化してしまう可能性が高くなるだけではなく、たんぱく質やビタミンの摂取が減少し、筋肉や身体機能を維持できなくなる可能性があるのです。 ※参考書籍 |
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Q174 | 「手足口病」について教えてください。 |
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A174 | 手足口病ってどんな病気?手足口病は、口の中や手足などに水疱性の発疹が出る、ウイルスの感染によって起こる感染症です。 どのように感染するの?感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染すること) があります。 どんな人がかかりやすいの?乳幼児がかかりやすいと言われています。特に集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。 どんな症状が出るの?感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。発熱は約3分の1程度にみられますが、あまり高くならないことがほとんどであり、高熱が続くことは通常はありません。 どのくらい症状は続くの?ほとんどの場合、数日間のうちに治ります。しかし、まれですが、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの注水神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることがあります。手足口病にかかったこどもの経過を注意深く観察し、合併症に注意をする必要があります。 感染しないようにするためにどんなことに注意すればよいの?手足口病には有効なワクチンはなく、また手足口病の発病を予防できる薬もありません。一般的な感染対策は、接触感染を予防するために手洗いをしっかりとすることと、排泄物を適切に処理することです。特に、保育施設などの乳幼児の集団生活では、感染を広げないために、職員と子ども達が、しっかりと手洗いすることが大切です。特におむつを交換する時には、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。 手洗いは流水と石けんで十分に行ってください。また、タオルの共用はしてはいけません。 治療方法はあるの?手足口病に特効薬はなく、特別な治療方法はありません。また、基本的には軽い症状の病気ですから、経過観察を含め、症状に応じた治療となります。まれに合併症などが起こる場合がありますので、経過観察をしっかり行い、高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに応じない、呼吸が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりとしているなどの症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。 ※参考サイト |
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Q175 | 骨髄炎、骨炎、骨壊死の違いは何ですか? |
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A175 | 骨髄炎骨髄炎は、骨髄腔における感染症で、その多くが細菌感染です。感染により髄腔内の内圧が上昇し炎症反応が起こるため、血液供給が圧迫されて骨髄が失活し、骨の一部が壊死します。激しい痛みを伴う急性期の後に排膿が始まり、破骨細胞により壊死骨が分離されて腐骨が形成される。腐骨が除去されれば治癒へ向かうが、除去されなければ腐骨内で感染が持続し難治性となり、慢性化して周囲骨に硬化性変化が生じます。 骨炎骨炎は、骨表面の炎症であり、ドライソケットで露出した骨などにみられます。小規模の腐骨が形成されることもありますが、感染は髄腔内へ侵入・拡大しません。 骨壊死骨壊死は、骨が失活した状態であり、その多くは血液供給の途絶や、血管新生阻害薬あるいはBP製剤が原因です。初期の段階では無菌状態ですが、外部への曝露により細菌感染が生じます。骨への放射線照射は動脈内膜炎を誘発し、血管を狭窄させ最終的には壊死させるので、骨壊死に至る場合があります。骨粗鬆症の予防や治療、癌の骨転移、代謝性骨疾患のためにBP製剤を服用している患者において、骨壊死が増加しています。 ※参考書籍 |
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Q176 | 口の中が痛いので歯医者に来ました。頬の粘膜が白色と紅色の斑になっているのですが、病気でしょうか? |
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A176 | 白色と紅色の病変で潰瘍を伴っている場合は、次の3つの疾患のうちのいずれかである可能性が高いと考えられます。 扁平苔癬中高年に好発する慢性疾患で、診断候補の3つの疾患のなかでは最も一般的です。外観は委縮型(びらん性)疾患に典型的なもので、角化性の白斑に紅斑および浅在性潰瘍が合併します。通常、臼歯部頬粘膜の病変の範囲はそこまで広くなく、膨隆しています。 苔癬様薬物反応苔癬様の副作用を生じる薬剤は多くあります(例えば、血糖降下薬など)。 苔癬様反応は局所的(例えば、修復物に対する反応)あるいは全身的に発生し、通常は薬剤が原因です。扁平苔癬ではなく苔癬様薬物反応と考えられる場合の特徴は、急性発症、広範な潰瘍、非対称的な病変の分布、重症度の高い舌背部などが挙げられます。また、扁平苔癬の発症頻度が低い口底などに認められることもあります。苔癬様反応は臨床所見から扁平苔癬と鑑別することはほぼ不可能で、頬粘膜の所見は苔癬様反応と一致しています。 エリテマトーデス円状・全身性エリテマトーデス(SLE)の症状が口腔に出現している可能性もあります。両者の口腔症状は識別不可能です。臨床所見は扁平苔癬および苔癬様反応と類似していますが、いくつかの特徴が診断に役立ちます。エリテマトーデスでは病変の中央部に潰瘍もしくは紅斑があり、その周囲には放射状に広がる線条がみられることが多いのですが、これに対して扁平苔癬では線条の分布はランダムなパターンを示すのが一般的です。また、病変は通常非対称で、硬口蓋と軟口蓋にも認められます。扁平苔癬や苔癬反応がこれらの部位に生じることはほとんどありません。エリテマトーデスは前述の2症例よりはるかに稀です。 ※参考書籍 |
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Q177 | BP製剤とはどのような薬剤で、何のために使用されるのでしょうか? |
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A177 | BP製剤には骨のターンオーバーを抑制する作用があります。BP製剤は骨表面に吸着し、長期に結合状態を維持します。骨吸収が生じている部位で、薬剤は破骨細胞により取り込まれ、アデノシン三リン酸(ATP)の代謝や細胞膜機能を阻害します。これにより破骨細胞を死滅させるか、もしくは骨吸収を阻害します。その結果、骨形成が骨吸収を上回り、リモデリングサイクルが延長し、骨密度が上昇もしくは安定します。 BP製剤の主な用途
※参考書籍 |
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Q178 | 口腔内に生じる白斑のうち、よくみられるものや重要なものとしては何が挙げられますか?それらの原因はなんですか? |
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A178 | 口腔内におけるほとんどの白斑は上皮の角化亢進によって生じます。確執は水分を吸収して白く見え、厚いところはより明るい白色を呈します。化学熱傷は例外であり、白い表層は壊死や潰瘍が原因です。
※参考書籍 |
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Q179 | BP製剤はすべての骨に同じように作業するのでしょうか? |
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A179 | 同じではありません。全身に作用しますが、上下顎骨に対する作用が顕著です。理由は明らかではありませんが、上下顎骨には豊富な血液供給により高濃度の薬剤が到達するためと推測されます。さらに顎骨を被覆する軟組織は非常に薄いため、骨露出が生じやすくなります。BP製剤が原因の骨壊死は下顎に多く、上顎の2倍です。しかし、ほかの骨に発症することはほとんどありません。 ※参考書籍 |
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Q180 | BP製剤で、なぜ組織に壊死が起こるのでしょうか? |
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A180 | これは完全には明らかになっていません。BP製剤は細胞間・細胞内シグナル伝達を阻害し、血管新生を抑制します。そのため骨髄組織への血液供給が途絶え、死滅します。骨芽細胞と破骨細胞の数は相互依存関係にあるため、これらも骨内で激減します。骨細胞は成熟骨芽細胞により置換されないため、最終的には死滅します。骨と軟組織の両方が無症候状態のまま徐々に壊死していきます。 骨を被覆している粘膜は、血液供給の一部を骨と骨膜から受けているため、この粘膜も壊死してしまいます。これは粘膜が非常に薄い部位で起こりやすく、特に筋肉の少ない下顎隆起や下顎骨後方の舌側に多く認められます。 ※参考書籍 |
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