持病の薬
Q1 | 薬の飲み合わせは、どのように気をつければいいのでしょうか? |
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A1 |
注意が必要な飲み合わせおよび食べ合わせの主な例は下記の表をご覧下さい。 副作用がおきるような注意すべき食べ合わせ、飲み合わせがある場合は、お薬の説明書に書かれることになっています。判断に迷ったら、薬局に相談しましょう。
※参考書籍 「Newton 2015年8月号」 株式会社 ニュートン プレス |
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Q2 | 今たくさんの薬を飲んでいますが、副作用が心配です。 |
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A2 |
医薬品を2種類以上併用する場合には、十分な注意が必要です。 併用は歯科治療においても例外ではなく、可能性として挙げられる主な組み合わせは、内服薬では抗菌薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、解熱鎮痛薬、健胃消化薬(制酸薬)、整腸薬、抗不安薬、抗アレルギー薬、三叉神経痛用薬などで併用されることが多いと言われています。
また、次のような報告もあります。 「1枚の処方箋に2種類以上の内服薬が記載された場合には、約半分の処方箋で平均3.4種類の副作用が重複している」 遠藤敏成, 他:多剤併用処方にみられる重大な副作用重複の現状. 医療薬学, 28 :157-163, 2002.
さらに注意しなければならないのが、歯科以外の医科系医療機関から処方され、服用している医薬品との併用です。歯科治療によって処方された医薬品と同種同効薬を併用した場合には、効果の増強とともに副作用発現のリスクが高まります。
副作用が見られたら、すぐ医師・歯科医師に相談してください。
※参考書籍 |
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Q3 | 最近、薬の副作用で口のなかが乾燥しています。少しでも良くなればと思い、飴を舐めています。何か問題ありますか? |
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A3 | 抗がん剤治療後など、薬の副作用で味覚異常や口腔乾燥を感じることはよくあります。そのため、飴を常時なめるという方もいらっしゃいますが、むし歯が多発したり、歯牙が破折したりするリスクがあるため、要注意です。
飴について高齢者によくあることは次の通りです。
※参考書籍 |
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Q4 | ポリファーマシーって何? |
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A4 | ポリファーマシーとは、Poly+Pharmacyで多くの薬ということですが、単純に多剤併用を意味するものではなく、厚生労働省の「高齢者の医薬品適正使用の指針」では多剤服用のなかでもそれに関連した薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス(患者の理解、意思決定、積極的な治療協力に基づく内服遵守)低下等の問題につながる状態をポリファーマシーとしています*)。 多剤について厳密な定義はなく、5~6種類以上を多剤併用の目安と考えるのが妥当とされていますが、患者の病態、生活、環境により適正処方も変化します。そのため、ポリファーマシーの是正では、一律の剤数、種類数のみに着目するのではなく、安全性の確保などからみた処方内容の適正化が求められています。
※参考書籍 |
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Q5 | 処方された薬を飲みきる前に症状が改善しました。薬を飲むのをやめてもいいでしょうか? |
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A5 |
たとえ体調が良くなったとしても、自分の都合で薬の服用をやめてしまうと、病気をさらに悪化させてしまう可能性があります。 例えば、細菌感染症にかかり抗生物質を処方された場合、抗生物質を飲むと細菌が死ぬことで数が減って症状も軽く感じるようになります。そこで服用をやめると、生き残っている細菌が再び増えはじめます。この生き残った細菌は、飲んでいた抗生物質が効かない菌である可能性が高く、もう一度薬を飲んだとしても、薬の効き目が以前より弱くなり、一層重い症状につながることになります。 また、アレルギー性皮膚炎などでステロイド系の薬を使用している場合、症状が治まってからといって急に使用をやめると、かえって症状が悪化することがあります。このことを「リバウンド現象」といいます。医師は、このようなリバウンド現象を防ぐために、患者の症状が改善していくのをみながら、薬の量や服用回数を減らしたり、効き目の弱い薬に変更したりして、徐々にやめていく方法をとります。 少しでも早く健康状態に戻るためにも、医師から受けた指示をきちんと守り、薬を正しく飲み切ることが大切です。
※参考書籍 「Newton 2015年8月号」 株式会社 ニュートン プレス |
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Q6 | 妊婦や子供、高齢者が薬を飲むときに気をつけることは何ですか? |
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A6 |
飲む人が子供か、成人か、高齢者かで、薬の体内での動きは変化します。薬は主に肝臓で分解されて薬効を失い、腎臓を経て排出されます。年齢によって、肝臓・腎臓の処理能力が変わってきます。一般的に子供は処理能力が高いのですが、高齢者は低い傾向にあります。70歳になると、腎臓の濾過機能は成人の約70%にまで落ちることが分かっています。そのため、薬を尿に排泄することができず、長時間にわたって多くの薬が体内にとどまることになり、効果が強く出ることがあります。
加齢にともなう体質の変化(出典:「くすりの地図帳」 講談社)グラフは加齢と生理機能の変化を表しています。 加齢によって細胞内の水分が減ると、相対的に体内の薬物濃度が上がります。また、腎臓での濾過量が減ることで、薬物が適切に排泄できず、体内の薬物濃度が上がります。このように、年齢によって生理機能は変化するため、それに合わせて投与量を決める必要があります。
また、妊娠すると母体のさまざまな生理的なはたらきが変化することで、体内での薬の動き方も変化することが知られています。例えば、妊娠時には胃酸の分泌が減ったり、小腸の運動が弱くなったりするため、薬物の吸収が悪くなるケースがあります。さらに、母親が飲む薬が、胎児に与える影響についても考えなければなりません。母親が飲んだ薬の多くは胎盤を通じ、胎児に渡されます。妊娠初期には、胎児の体の形成に障害をおこす可能性をもつ薬もありますので、注意が必要です。
逆に、喘息やてんかんなどの持病があり、薬を飲んでいた女性が、妊娠に気づいて急に服用をやめてしまうということも危険です。母親が健康を崩し、結果的に胎児まで危険な状態に陥ってしまうことがあるためです。市販薬の使用も含め、必ず医師の指示に従い、指定された用法・用量を守ることが重要です。
※参考書籍 「Newton 2015年8月号」 株式会社 ニュートン プレス |
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Q7 | 薬を飲み忘れた場合はどうしたらよいですか? |
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A7 |
市販薬一般的に「早めに飲み忘れに気がついた場合、そのときに飲む」、もしくは、「次の服用時間が近い場合、それまで待って1回分を飲む」ようにすればよいと言われています。 病院の処方薬薬や病気の種類によって対応の仕方が異なり、医師に相談する必要があります。 その他の注意点1.市販薬・処方薬ともに、2回分を一度に飲むことは危険!体内で薬物の濃度が上がりすぎ、副作用が出てしまうことがあるためです。 2.自己判断で薬を飲む時間を変更してはいけない。食前に飲むべき薬を食後に飲んだり、食後に飲むべき薬を食前に飲んだりしてはいけません。薬の性質の違いによって薬は食前に飲むべきか食後に飲むべきかなどが決まっています。 例えば、骨粗鬆症の治療薬の一部には、食前に飲むように指導されるものがありますが、もし食後に飲んでしまうと、食事中に含まれる鉄やカルシウムなどの金属イオンと薬が結合し、ほとんど吸収されなくなってしまいます。逆に、食事によって胆嚢から分泌される胆汁酸が、薬の吸収に必須なものもあり、この場合は食後に飲まなければ体内に取り込まれずに効果を期待できなくなります。 3.余った薬の扱い医師がそのときの患者さんの症状に合わせて、最適に処方した薬が渡されています。 取っておいて後で同じような症状の時に使ったり、同じような症状の人に薬をゆずったりしない方がよいでしょう。
※参考書籍 「Newton 2015年8月号」 株式会社 ニュートン プレス |
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Q8 | 処方箋医薬品や大衆薬、医薬部外品、健康食品の違いって何ですか? |
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A8 |
一般的に「薬」と呼ばれるものは、「薬機法(2014年改名、旧薬事法)」という法律によって運用方法が定められています。薬機法は、体に影響を与えるものを、「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」の3つに分類しています。 医薬品医療用医薬品(処方箋医薬品)体に対する作用が非常に強い特徴があり、主に医師による処方箋が必要な薬のこと。 ジェネリック医薬品も含まれる。 一般用医薬品(大衆薬)処方箋がなくてもドラッグストア・薬局などで購入することができる薬のこと。 副作用のリスクに応じて、「第一類」から「第三類」まで分けられる。 コンビニエンスストアでは「第二類医薬品」、「第三類医薬品」を購入でき、2013年からはインターネットで全ての一般用医薬品を購入することができるようになった。 医薬部外品医薬品よりも作用が穏やかなもの。 ドリンク剤やうがい薬、育毛剤、入浴剤などが該当し、薬用化粧品、薬用石鹸も含まれる。 化粧品医薬部外品よりもさらに作用が穏やかなもの。体を清潔にしたり、見た目を美しくしたりする目的で皮膚などに塗ったりするもの。歯磨き粉や石鹸、シャンプーなどが該当する。 その他、薬機法に分類されない食べ物で、口に入るものは全て「食品」です。 健康食品やサプリメントはすべて食品であり、薬ではありません。
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Q9 | 薬を飲み続けるとだんだん効かなくなるというのは本当ですか? |
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A9 |
薬の種類によっては、薬がだんだん効かなくなることもありえます。 ある薬剤に対して耐性ができる原因は、大きく2つに分けることができます。一つは「薬の標的であるタンパク質自体の数が減ってしまう」、そしてもう一つは「薬が排泄される速さが変化する」というものです。
また、抗生物質に対して抵抗性をもち、薬が効かなくなった細菌についても「耐性」という言葉を用います。このような菌を「薬剤耐性菌」といいます。中には、多くの薬剤に対して耐性をもった「多剤耐性菌」という細菌もあります。効果のある抗生物質が少なく、排除がむずかしい厄介な細菌です。
※参考書籍 「Newton 2015年8月号」 株式会社 ニュートン プレス |
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Q10 | 漢方薬と西洋薬って何が違うの? |
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A10 |
漢方薬漢方といえば、中国の医学というイメージがあるかもしれません。しかし実際は、漢方とは古代中国の伝統医学(中医学)をもとにして、日本で独自に発展して作られたものです。 漢方薬は、数種類の生薬を組み合わせることで作られた薬です。生薬は、植物や動物、鉱物を乾燥させたり、蒸したりして作られ、それぞれの生薬が多くの有効成分を含んでいるため、漢方薬はさまざまな作用をもっているという特徴があります。患者さんの体質やそのときの状態によって、その人の生体システム(免疫系や神経系、内分泌系など)に合った漢方薬が処方されるので、違う病気に対しても、体質や症状が似ていれば、同じ漢方薬が用いられることがあります。 漢方薬は、さまざまな生薬が組み合わされているため、なぜ効くのか、そのメカニズムを解明することはむずかしいですが、徐々に明らかになってきており、一部は医療用医薬品として認可されています。
西洋薬西洋薬は、単一の成分をピンポイントに体の悪い部分へと作用させる、という特徴があります。 例えば、感染症にかかれば「抗生物質」、熱が出れば「解熱剤」、血圧が高くなれば「降圧剤」という具合です。西洋医学では、まず病気の原因を突き止め、それに合った薬を処方するため、同じ病気だと診断された場合は同じ薬が処方されます。
※参考書籍 「Newton 2015年8月号」 株式会社 ニュートン プレス |
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