矯正治療

Q61 若い頃はきれいな歯並びだったのに近頃出っ歯になり隙間もできてきました。食べにくいし、口もとが出て気になります。矯正で治すことって、できますか?
A61

歯周病で歯が動いたためでしょう。
こういうときも矯正治療がお役に立ちます。
歯周病の治療+矯正治療できれいな口もとを取り戻しましょう。

※参考書籍 「nico 2013.5 クインテッセンス出版株式会社」

Q62 治療の費用はどのくらいかかりますか?
A62

入れる部位や本数によって異なります。
担当の歯科医師に詳しくお尋ねください。

Q63 私は、歯並びにけっこう自信があります。なのに、このあいだ歯医者さんで開咬だからと、矯正を進められました。本当に治療が必要なんでしょうか?
A63

一見歯並びがきれいで問題がなさそうでも奥歯にばかり負担がかかってしまって顎関節症になりやすいうえ奥歯も傷みやすいのです。ぜひ治療を!

※参考書籍 「nico 2013.5 クインテッセンス出版株式会社」

Q64 笑うと歯ぐきが目立ってしまうんです。治したいと思っていますがあごの骨を切る手術が必要なのでしょうか?
A64

近年、ガミースマイルの治療はあごの骨を切らずにできるようになりました。
インプラントで垂直方向にも力を加えることで歯が引っ込み、歯ぐきがくちびるに隠れます。

※参考書籍 「nico 2013.5 クインテッセンス出版株式会社」

Q65 不正咬合があると歯周病を罹患しやすくなるのですか?
A65

より重篤な不正咬合をもつ患者はより重篤な歯周病に羅患している割合が高いが、この関係は口腔衛生状態に依存するものであり、関連性はあるものの必ずしも因果関係があるわけではない。(Bollen 2008

※参考書籍
 「科学的根拠に基づく歯周病へのアプローチ」
 清水宏康 著 医歯薬出版株式会社

Q66 矯正治療によって歯周病は改善されるの?悪化するの?
A66

プラークコントロールの点から矯正治療をみると、矯正装置を装着すると、ポケットが増加し、歯肉縁下の細菌叢がより嫌気的に変化することが報告されています。また、感染した歯根を矯正移動した場合、歯肉縁上プラークを歯肉縁下に位置づけることになり、かえって歯周組織の破壊を引き起こすことも報告されています。さらに矯正治療後の患者は、歯根吸収歯の割合が高いことや、歯肉の厚みが減少する方向への矯正的歯牙移動によって歯肉退縮が起こることも報告されています。このことから矯正治療は、歯周組織にとって好ましくない影響を与えるかもしれないという側面があることも理解する必要があります。

矯正治療と歯周病の関係について、論文で次のように報告されています。

・矯正装置を装着すると、PPD(ポケット)が増加し、歯肉縁下の細菌叢がより嫌気的に変化する(Diamanti-Kipioti 1987

歯周治療を受けた後に矯正治療を行った患者のアタッチメントロスの量は、矯正治療を受けた健常者と比べて差がない(Boyd 1989

・矯正治療を行った場合は、行わない場合と比べて歯肉退縮が0.03mm、歯槽骨吸収が0.13mm、PPD(ポケット)の増加が0.23mm多い(Bollen 2008

※参考書籍
 「科学的根拠に基づく歯周病へのアプローチ」
 清水宏康 著 医歯薬出版株式会社

Q67 前歯が重なっているのですが、抜かずに削って矯正すると言われました。削ってもよいのですか?また、どれくらい削ってもよいのでしょうか?
A67

歯の側面の部分を少し削り(ディスキング)、特にその方法をIPR(Interproximal Enamel Reduction)と呼びます。歯を並べるスペースを作るため、固定式矯正装置やマウスピース型矯正装置とともに行う治療方法です。軽度・中度の叢生はIPRで治療することができます。

IPRのメリット

1.歯を並べるためのスペースを作るができる
2.ブラックトライアングルを減少することができる
3.歯の形態を整えることができる
4.上下顎の噛み合わせを調整することができる
5.大きい歯を小さくすることができる

などがあります。

 

以下の図はFillionが考案したIPRチャートです。

IPRチャート

 

上記チャートを一部改変し、まとめたものが以下です。

IPRチャート改変 上顎

 

IPRチャート改変 下顎

 

これは、1つの歯に存在するエナメル質の幅から導き出したもので、可能なIPRの最大量を示しています。このプロトコールに従って隣接面のエナメル質を削合すれば、それによりカリエスリスクが増えることはありません。必ずしもIPRチャートと口腔内が完全に一致しているとは限りません。

計画した歯の移動を確認し、コンタクトがきつく実現が不可能と判断した場合には、IPRが必要となります。

 

 

※参考書籍
 「アライナー矯正治療」
 ワーナー・シュープ、ユリア・ハウブリッヒ 著
 丸善プラネット株式会社

Q68 歯はどうやって骨の中を移動するのでしょう?
A68

骨中に植立している歯に力が加わると、歯根周囲の歯周靭帯や骨のある部分は「圧迫」され、その反対側の部分は「牽引」されることになります。
そして、圧迫された部分の骨は消失し、牽引された部分には新しい骨が添加され、その結果骨中を歯が移動することになります。
失活歯であっても、生活歯と比べて矯正力による歯の移動に差はないと考えられています。

※参考書籍  「矯正歯科の基礎知識」  飯塚 哲夫 著  愛育社

Q69 矯正用インプラントのお手入れの注意点を教えてください。
A69

矯正インプラントインプラントアンカーともいいます。

1.  矯正インプラント周囲は、柔らかい歯ブラシで軽くこすってください。
清潔を保つことが大切です。

2.  矯正用インプラントがゆるんだら、すぐに歯科医師に相談してください。
不安になればいつでも矯正用インプラントを外せますので、ご安心ください。

3. 電動ハブラシは、矯正用インプラント周囲には使わないでください。

Q70 歯の移動率はどんなことに影響されますか?
A70

患者さんの年齢、薬物服用、食餌、いくつかの全身状態、固有の遺伝的要素などがあります。その他、移動させようとする歯に隣在する歯との接触状態とか、対合歯との咬合干渉なども、歯の移動率に影響を与えるものとして挙げられています。

※参考書籍  「矯正歯科の基礎知識」  飯塚 哲夫 著  愛育社

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