矯正治療
Q61 | 若い頃はきれいな歯並びだったのに近頃出っ歯になり隙間もできてきました。食べにくいし、口もとが出て気になります。矯正で治すことって、できますか? |
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A61 |
歯周病で歯が動いたためでしょう。 |
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Q62 | 治療の費用はどのくらいかかりますか? |
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A62 |
入れる部位や本数によって異なります。 |
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Q63 | 私は、歯並びにけっこう自信があります。なのに、このあいだ歯医者さんで開咬だからと、矯正を進められました。本当に治療が必要なんでしょうか? |
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A63 | 一見歯並びがきれいで問題がなさそうでも奥歯にばかり負担がかかってしまって顎関節症になりやすいうえ奥歯も傷みやすいのです。ぜひ治療を! |
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Q64 | 笑うと歯ぐきが目立ってしまうんです。治したいと思っていますがあごの骨を切る手術が必要なのでしょうか? |
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A64 |
近年、ガミースマイルの治療はあごの骨を切らずにできるようになりました。 |
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Q65 | 不正咬合があると歯周病を罹患しやすくなるのですか? |
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A65 |
より重篤な不正咬合をもつ患者はより重篤な歯周病に羅患している割合が高いが、この関係は口腔衛生状態に依存するものであり、関連性はあるものの必ずしも因果関係があるわけではない。(Bollen 2008) ※参考書籍 |
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Q66 | 矯正治療によって歯周病は改善されるの?悪化するの? |
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A66 |
プラークコントロールの点から矯正治療をみると、矯正装置を装着すると、ポケットが増加し、歯肉縁下の細菌叢がより嫌気的に変化することが報告されています。また、感染した歯根を矯正移動した場合、歯肉縁上プラークを歯肉縁下に位置づけることになり、かえって歯周組織の破壊を引き起こすことも報告されています。さらに矯正治療後の患者は、歯根吸収歯の割合が高いことや、歯肉の厚みが減少する方向への矯正的歯牙移動によって歯肉退縮が起こることも報告されています。このことから矯正治療は、歯周組織にとって好ましくない影響を与えるかもしれないという側面があることも理解する必要があります。 矯正治療と歯周病の関係について、論文で次のように報告されています。 ・矯正装置を装着すると、PPD(ポケット)が増加し、歯肉縁下の細菌叢がより嫌気的に変化する(Diamanti-Kipioti 1987) ・歯周治療を受けた後に矯正治療を行った患者のアタッチメントロスの量は、矯正治療を受けた健常者と比べて差がない(Boyd 1989) ・矯正治療を行った場合は、行わない場合と比べて歯肉退縮が0.03mm、歯槽骨吸収が0.13mm、PPD(ポケット)の増加が0.23mm多い(Bollen 2008) ※参考書籍 |
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Q67 | 前歯が重なっているのですが、抜かずに削って矯正すると言われました。削ってもよいのですか?また、どれくらい削ってもよいのでしょうか? |
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A67 |
歯の側面の部分を少し削り(ディスキング)、特にその方法をIPR(Interproximal Enamel Reduction)と呼びます。歯を並べるスペースを作るため、固定式矯正装置やマウスピース型矯正装置とともに行う治療方法です。軽度・中度の叢生はIPRで治療することができます。 IPRのメリット1.歯を並べるためのスペースを作るができる2.ブラックトライアングルを減少することができる3.歯の形態を整えることができる4.上下顎の噛み合わせを調整することができる5.大きい歯を小さくすることができるなどがあります。
以下の図はFillionが考案したIPRチャートです。
上記チャートを一部改変し、まとめたものが以下です。
これは、1つの歯に存在するエナメル質の幅から導き出したもので、可能なIPRの最大量を示しています。このプロトコールに従って隣接面のエナメル質を削合すれば、それによりカリエスリスクが増えることはありません。必ずしもIPRチャートと口腔内が完全に一致しているとは限りません。 計画した歯の移動を確認し、コンタクトがきつく実現が不可能と判断した場合には、IPRが必要となります。
※参考書籍 |
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Q68 | 歯はどうやって骨の中を移動するのでしょう? |
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A68 |
骨中に植立している歯に力が加わると、歯根周囲の歯周靭帯や骨のある部分は「圧迫」され、その反対側の部分は「牽引」されることになります。 |
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Q69 | 矯正用インプラントのお手入れの注意点を教えてください。 |
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A69 |
1. 矯正用インプラント周囲は、柔らかい歯ブラシで軽くこすってください。 2. 矯正用インプラントがゆるんだら、すぐに歯科医師に相談してください。 3. 電動ハブラシは、矯正用インプラント周囲には使わないでください。 |
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Q70 | 歯の移動率はどんなことに影響されますか? |
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A70 | 患者さんの年齢、薬物服用、食餌、いくつかの全身状態、固有の遺伝的要素などがあります。その他、移動させようとする歯に隣在する歯との接触状態とか、対合歯との咬合干渉なども、歯の移動率に影響を与えるものとして挙げられています。 |
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