おとなの矯正治療
Q11 | 現在70歳ですが、歯並びが気になっています。この年齢でも矯正治療はできますか? |
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A11 | 高齢者に矯正治療を行う場合には、その代謝の遅さによる矯正治療期間の延長、歯の移動の停止、肉体的なキャパシティの低下、平均余命から考えての治療期間に対する配慮により、若者に矯正治療を行うよりも、細心の注意を払う必要があります。
※参考書籍 |
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Q12 | 矯正治療をしたいのですが、保険治療でできるものもあると聞きました。どういうものがありますか? |
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A12 | 保険適応対象となる適応症(令和4年度)
保険が適応できない場合でも、医療費控除を申請すれば、いくらかお金が戻ってきます。
※参考書籍
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Q13 | 矯正する前に資料収集されているようですが、どういうことを考えてもらっているんでしょうか? |
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A13 | 下記の5つのポイントについて考えています。 1.現症の把握どこがどの程度悪いのか? 2.原因の考察なぜ悪いのか? 3.予後の判定放置するとどうなる可能性があるのか? 4.治療法の選択どんな装置を使って、いつから始めればよいのか? 5.治療目標の設定どこまで改善できそうか?
※参考書籍 |
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Q14 | 矯正をするときに大きな写真を撮りました。何を診るものですか? |
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A14 | 矯正治療で撮影する大きな写真は「セファロ」といいます。CTで代用する歯科医院も多く、加藤歯科医院でもCTで代用しています。 セファロを使って、下記の6項目を診ています。
※参考書籍 |
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Q15 | おとなの矯正では、子どもと違って歯を抜くことが多いと聞きました。抜歯をしたくないけど抜かなければダメ? |
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A15 | 必ずしも抜かない治療が良い治療ではありません。 患者さんの歯の混雑具合によって、ケース・バイ・ケースでしょう。 このように、歯をきれいに並べるためのスペースが足りないときには抜歯が必要になります。 アジア人の場合、お口に奥行きがないため、とくに叢生の治療をご希望のかたは抜歯をしてスペースを作ったほうが無理なく歯が並び、口もとが引っ込んでその分オトガイ(あごの先端)がシャープになり、フェイスラインが美しくなる傾向があります。 ※参考書籍 |
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Q16 | 矯正治療は歯の根っこが吸収すると聞いたのですが、どうなのでしょうか? |
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A16 | 矯正歯科治療にともなう歯根吸収は、ワイヤーのシークエンスやブラケットの種類によって影響を受けることはないものの、外傷の既往や歯根形態、大きな矯正力は歯根吸収のリスク要因になります。 治療に関連するリスク要因
など 患者のリスク要因
Weltman B, Vig KW, Fields HW, Shanker S, Kaizar EE.Root resorption associated with orthodontic tooth movement:a systematic review. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2010 Apr;137(4):462-76. Malmgren O, Goldson L, Hill C, Orwin A, Petrini L, Lundberg M. Root resorption after orthodontic treatment of traumatized teeth. Am J Orthod. 1982 Dec;82(6):487-91. 「歯根吸収は主に上顎前歯で起こり、平均1.4mmを超えることが示された。最大の歯根吸収は、上顎側切歯および歯根形態異常(ピペット状、尖っている、分裂している)のある歯に認められた。成人の患者は、小児の患者よりも下顎前歯部における歯根吸収の量が有意に多いことがわかった。」 Sameshima GT, Sinclair PM. Am J Orthod Dentofacial Orthop 2001; 1 19(5):505-510. 「臨床研究での発生率はさまざまである。矯正歯科治療後の歯根吸収の多くは、歯の寿命や機能低下に関係しない。歯根吸収の研究の多くは、その病因と予測可能性を明らかにしようとするものであるが、いまだ不明な点が多い。個々の感受性、遺伝的素因、矯正歯科治療に関連する全身因子、局所因子、解剖学的因子は多くの文献で引用されている。歯根吸収に関して多くの研究があるものの、それぞれ異なる方法で行われているために結果と結論を比較することができない。」 Brezniak N, Wasserstein A. Am J Orthod Dentofacial Orthop 1993; 103(1):62-66. ※参考書籍 |
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Q17 | 歯の矯正をしようと思って歯科医院に行ったらCTを撮られました。なぜでしょうか? |
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A17 | 「矯正歯科治療における3D画像解析は、初診時の診断や、成長や治療による変化および安全性を評価するための重ね合わせに応用できる。三次元CBCT画像は、歯根の傾きおよびトルク、埋伏および過剰歯の位置、歯科矯正用アンカースクリューの埋入部位の骨の厚さおよび形態、手術計画における骨切除部位を示すことができる。歯根吸収や過形成、変位、下顎頭の形態異常、左右の形態の違いなどの所見は、診断におけるCTの有用性をいっそう高めるものである。さらに軟組織と気道の関係も、三次元的に評価することが可能である。」 Cevidanes LH, Styner MA, Proffit WR. Am J Orthod Dentofacial Orthop 2006; 129(5):611-618. ※参考書籍 |
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Q18 | 矯正治療中ですが、入院直後に妊娠が判明しました。どうしたらいいですか? |
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A18 | 矯正治療中の妊娠、出産は起こりうる事項であり、患者さんの人生にとって矯正治療以上に重要なことです。 妊娠初期および後期の体調の変化により通院が困難になることがあり、その対応、出産後の通院再開時期について患者さんに説明します。また、口腔衛生状態が悪化することもあるため、十分に気をつける必要があります。 治療期間が延長しても、妊娠・出産にともなう重篤な問題が発生しなければ、対応できます。
※参考書籍 |
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Q19 | 矯正治療中に向精神薬を服用したら、噛み合わせに変化が生じていると言われました。どうしたらいいですか? |
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A19 | 筋弛緩作用のある向精神薬を服用すると、舌の筋弛緩により新たな舌癖や低位舌などの機能異常が起こることがあります。その結果、歯列に加わる舌圧などに変化が生じ、歯列弓形態に変化をもたらすため、服用量が多いときに矯正治療を行ったとしても、噛み合わせを安定させることが難しくなる可能性があります。そのため、筋弛緩作用がある薬を常用する場合には、当該の専門医へ対診し、矯正治療の可否の判断と、薬の服用量の減少を確認した後に矯正治療を行う必要があります。また、治療終了後においても舌癖は残存することから、不均一は舌圧が加わったとしても歯列形態の変化が起きないように、固定式および可撤式リテーナーを用いて保定を強化することが重要です。
※参考書籍 |
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Q20 | 矯正治療後、多数歯に脱灰が認められると言われました。どうしたらいいですか? |
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A20 | 一般的な矯正治療でむし歯予防の対策を行っても改善が見られない場合、治療を中断して固定式装置(マルチブラケット)の撤去も考えられますが、抜歯治療の場合は空隙の閉鎖は最低限完了する必要があります。また、治療期間の短縮のため、歯の移動への反作用を考慮したうえ、治療メカニクスの変更も検討します。装置の清掃性への判断も重要です。その際、治療ゴールは妥協的にならざるを得ないことも患者さんおよび保護者には十分説明します。
※参考書籍 |
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