インプラント
Q31 | 回復をスムーズにするために、インプラント手術前の注意点を教えてください。 |
---|
A31 | 手術についてわからないことがありましたら、ご遠慮なく歯科医師にお尋ねください。 |
---|
Q32 | 回復をスムーズにするために、インプラント手術後の注意点を教えてください。 |
---|
A32 |
1.手術後当日手術後はしばらく麻酔が効いているので、基本的に痛みはありません。 2.翌日~1週間後痛み止めと抗生剤を飲んでいるため、大きな痛みを感じることはないでしょう。また出血もにじむ程度です。 3.手術後1週間~1ヶ月見た目には、ほとんど傷口が確認できないくらいに歯ぐきは治っています。 4.手術後3ヶ月~半年あごの骨のリモデリング(再構築)もほぼ完了です。 |
---|
Q33 | インプラントは人工の歯だから、もう病気にはならないですよね?壊れたりすることはあるのですか? |
---|
A33 |
毎日の酷使に耐える小さな精密部分ですから壊れることもあります。ただ、そのほとんどはパーツを取り替えれば修復可能です。 人工歯なのでむし歯にはなりませんが、周りのあごの骨や歯ぐきは人工ではないのでケアを怠ると歯周病になってしまいます。 |
---|
Q34 | インプラントをして歯ぐきが腫れてきたのはどうしてでしょう? |
---|
A34 |
歯みがきが足りず、プラークが溜まると歯周病と同じような炎症が起きてしまいます。骨に炎症が広がる前の初期症状のうちに炎症を止めてインプラントを守りましょう! |
---|
Q35 | インプラント周囲炎について教えてください。 |
---|
A35 | インプラント周囲炎とは、インプラント埋入後にインプラント周囲組織に炎症が起こり、歯肉の炎症や歯槽骨の吸収が起きる疾患です。 CT撮影によって、インプラント周囲にインプラント体に沿った骨吸収を確認できます。 また、慢性化すると骨吸収周囲に骨硬化様像が著しく見られます。 リスク因子
インプラント周囲疾患の検査
治療方法保存が困難であることから抜去の対象となります。
※参考書籍 「画像診断に学ぶ難易度別口腔インプラント治療」 「3-stepと3-zoneで対応するサポーティブ・インプラント・セラピー」 |
---|
Q36 | インプラント周囲炎の治療で、インプラントを保存する基準は何ですか? |
---|
A36 |
現在、インプラント周囲炎の治療では除去・保存の明確な基準がないことが問題となっています。このことはインプラント周囲炎の治療は除去が最も確立した治療であり、歯科医師によって治療方針が異なるからです。ショートインプラントの予知性から保存治療とするかを決定する考え方がありますので、ご紹介します。 (1)患者さんがインプラントの再手術を希望しない 以上の条件が満たされた場合、保存治療の対象とすることができます。 ※参考書籍 |
---|
Q37 | インプラントをしたあと、メインテナンスはなぜ必要なのですか? |
---|
A37 |
プロでなければ確認できないチェック項目が目白押しです。 1.視診・触診歯ぐきが腫れていないか、プラークや歯石は溜まっていないか、膿は出ていないか、周囲の天然歯の健康状態は?などのチェックをします。 2.プロービング検査炎症の有無をプローブで調べます。フィクスチャーとの結合を傷めないよう、軽いタッチで行います。出血したりポケットが3ミリ以上あると炎症が起きている危険信号。歯みがきの見直しや治療が必要になります。 3.染め出し赤く染まったところは汚れの取れていないチェックポイント。その場所を確認していただき、歯ブラシやフロス、歯間ブラシが効果的に当たるようなテクニックを習得してインプラント周囲炎を予防します。 4.エックス線写真撮影炎症が見られるときなど、必要に応じて適宜エックス線写真撮影をし、あごの骨が失われていないかを調べます。 5.噛み合わせのチェック噛んだときにどこか当たる感じがあるなどの違和感がないか、偏った無理な力がかかっていないか、周りの天然歯が動いてはいないかなどのチェックをします。 6.ネジの緩みのチェック毎日噛んでいるうちにパーツのネジが緩んでくると、隙間に汚れが入り込みやすく、炎症の原因になります。また、部分も傷みやすくなってしまうので定期的なチェックが必要です。 7.PMTC軟らかいラバーカップやラバーチップを使い、研磨材の入っていないペーストでソフトにみがきます。歯間や歯ぐきのキワなど、セルフケアが不十分になりがちな場所や、患者さんが苦手なところのプラークコントロールを、プロのケアでお手伝いします。 8.スケーリング骨との結合を促進させる加工がほどこされているので、傷めないようにカーボン製などの軟らかいスケーラーを使い、注意深く行います。 9.パーツの分解掃除パーツの接合部のマイクロギャップは汚れの溜まりやすい場所です。また、ネジが緩んでいたりして、接合部からなかにプラーク汚れが入りこんでいるときは、パーツを分解して掃除をします。 インプラント治療に区切りはあっても完了はありません。 ※参考書籍 |
---|
Q38 | どんな歯医者さんにかかるとよいですか? |
---|
A38 |
迷ったり考える時間を与えてくれて、患者さんにメリット・デメリットやほかの選択肢も示してくれる歯科医師がいいでしょう。インプラントは、その多くが手術の緊急性がありません。ご家族とじっくり相談なさることをおすすめします。セカンドオピニオン、サードオピニオンをとるのもよいでしょう。 |
---|
Q39 | インプラントはフッ素で腐食するのでフッ素入りの歯磨き粉などの製品は使わない方がいいと聞きました。本当なんでしょうか? |
---|
A39 | 私は、フッ素はインプラントに対して悪影響を及ぼすことはほとんどないと考えています。それよりもお口の中に残っている歯を守るという意味でフッ素を使うことをオススメします。 フッ素はインプラントの素材であるチタンに影響を与えることはなく、一方で上部構造のセラミックのつやをなくすことが知られています。しかし、歯磨きをした後、みなさんうがいをされると思います。うがいによってお口の中のフッ素濃度はごくわずかになります。その濃度では上部構造に対する影響はほとんどないというのが私の考えです。 また、2017年現在、次のような最新の報告がなされました。 『インプラントの腐食・劣化のメカニズムは、「口腔内にフッ化物が存在すると水素イオンとの結合で微量のフッ化水素酸(HF)が生成され、これがチタン表面の不働態皮膜である酸化膜を破壊する」というものです。これにより、インプラントを装着した患者を対象としたフッ化物無配合歯磨剤が販売されることに至りました。 一方、日本口腔衛生学会は、むし歯予防の効果が科学的に証明されているフッ化物の使用を中止することで残存歯のむし歯のリスクが増大することを危惧し、フッ化物によるチタン腐食の問題についてフッ化物応用委員会がいち早く声明を出しました。学会は、日本の歯磨剤や洗口剤を使用したときに口の中に残るフッ化物イオン濃度は微量であるから、日常的に使用して差し支えないとの見解を示しています。』 また何かありましたらご相談ください。 ※参考書籍 |
---|
Q40 | インプラントは、失敗もあるしこわいと聞いたことがあります。大丈夫でしょうか? |
---|
A40 |
世界数百万人に臨床実績のある治療です。正確な診査・診断と丁寧な手術が患者さんのQOLを支えています。再治療の余地が広いのもインプラントの特徴です。 |
---|