インプラント
Q21 | インプラントはどんな人にもできますか? |
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A21 |
治療に不適応な方もおられますがその多くは生活改善や持病のコントロールで可能になります。詳しくは歯科医師にご相談ください。 【治療に不適応な方(絶対的不適応)】■まだ成長過程にある方 ■免疫不全や1型糖尿病の方 ■ホルモン療法や放射線治療などを受けている方 などです。 【不適応だが治療の余地がある方(相対的不適応)】■口腔内の清掃状態が悪い方 ■歯周病の方 ■歯槽骨の骨量が足りない方 ■喫煙者 ■骨粗鬆症の方 ■糖尿病2型の方 ■悪習癖のある方(歯ぎしり、くいしばりなど) などです。 「不適応だが治療の余地がある方」の場合は、生活習慣の改善をしたり、医科の治療を受け、症状がコントロールされていれば、インプラント治療が可能になります。 |
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Q22 | インプラント治療に不適応なケースは何ですか? |
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A22 |
など 上記に当てはまるケースではインプラント治療に不適応な場合があります。なお、全身疾患のある患者さんの場合、歯科医師が主治医と連絡をとり、治療が可能かどうかを確認して進めさせていただきます。 ※参考書籍 「nico 2018.1 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q23 | インプラント治療は痛いのでしょうか? |
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A23 | 通常のインプラント治療は、他の歯周外科処置に比べて痛みの少ない処置です。 手術中は麻酔をしますので痛みはありません。手術後1日くらいは軽く痛みが出ることがありますが、ふつうは腫れも1~2日でひきます。親知らずなどを抜いた痛みよりも軽いくらいです。手術に対して強い恐怖心をお持ちの場合には、麻酔科医による鎮静下で手術を受けることも可能です。 【術後注意事項】 各種因子とインプラント術後2週間内の傷みの強度との関係
※参考書籍 「nico 2007.2 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q24 | ブラキシズムはインプラントの失敗原因となるのですか? |
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A24 | ブラキシズムは機械的併発症のリスク因子で、インプラントの失敗の原因となりうるかもしれません。 ※参考書籍 |
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Q25 | 高齢者のインプラントは失敗しやすいのですか? |
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A25 | 高齢であることが失敗の原因とはなりません。 高齢者にはオッセオインテグレーションに影響をもたらす生物学的なリスクが考えられます。一般的に骨代謝は下がり免疫能も低下します。また慢性病変を有して多剤服用している人も多く、それらの副作用も懸念されます。手指の巧緻性も悪くなりプラークコントロールも悪くなりがちです。しかしながら、「高齢であること」が単独因子としてインプラント治療成績に影響を与えることはありません。 ※参考書籍 |
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Q26 | 歯周病罹患歯や既往歯は全部抜いたほうがインプラントの予後が安定するのでしょうか? |
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A26 | 歯周炎罹患歯や既往歯を抜いても、歯周炎関連菌は残存し、インプラント周囲炎のリスクは下がりません。 ※参考書籍 |
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Q27 | 全身疾患をもっているとインプラント治療に影響すると言われましたが、本当ですか? |
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A27 | 高齢者でのリスク一般に高齢になることで全身疾患を保有する頻度が高くなるため、これがリスクになります。そのため、①現在健康であること(種々の検査に問題となる異常がない)、②これからの平均余命、③インプラント治療が最善か(他の補綴治療とインプラント治療との比較が重要)の3点に関して、歯科医師として患者さんへのインフォームド・コンセントを行うことが重要です。
若年者でのリスク成長が停止すれば治療は可能です。成長停止時期は個人差があるので、慎重に適用を検討しなければなりません。
喫煙喫煙は歯周病を悪化させます。喫煙を継続すると歯周病が悪化するだけでなく、インプラント周囲炎やインプラント周囲骨の吸収を惹起する可能性が高くなります。喫煙経験年数と1日の喫煙量、タバコの種類を確認し、インプラント治療に先立って禁煙指導を行います。
循環器疾患高血圧高血圧そのものはインプラントの予後に対するリスクファクターではありません。
心疾患代表的な疾患としては虚血性心疾患、不整脈、心不全、心臓弁膜症、心筋症、先天性心疾患などがあります。 虚血性心疾患には心筋梗塞と狭心症があり、術後の後遺心臓障害の評価のために医科との対診は不可欠です。生体情報モニタ下での手術、あるいは麻酔医の立ち合いで静脈内鎮静法を併用します。虚血性心疾患そのものはインプラント治療の予後に対するリスクファクターではありません。
脳血管障害(脳卒中)抗血栓療法を受けている患者さんへの対応は次の4つがあります。
抗血栓療法そのものはインプラント治療の予後に対するリスクファクターではありません。
血液疾患貧血のうち、日常的には鉄欠乏性貧血が多いです。日常生活に支障がない貧血患者さんでも、その程度により術後さまざまな障害が発生する可能性があります。 たとえば、酸素の運搬機能低下により組織の酸素欠乏が生じ、その結果、創傷治癒不全、局所の免疫能の低下となり、術後感染、インプラント周囲炎のリスクが大きくなります。原因が明らかでも、Hb:10g/dL未満であればインプラント体埋入手術は延期します。
消化器疾患消化器疾患としては、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、肝機能障害、膵臓疾患などがあげられます。胃炎、胃・十二指腸潰瘍の既往がある患者さんでは術後の投薬などに注意を要します。
肝機能障害肝機能障害の代表はウイルス性肝炎、肝硬変、肝がんなどですが、急性期、あるいは末期でなければインプラント手術に直接の影響はないことが多いです。しかし、院内感染は大きな脅威となるため十分な注意が必要です。肝硬変では出血傾向があり、術中・術後の出血が問題です。 また、肝機能障害は、創傷治癒の遅延を招くため、インプラント治療の成功を妨げる全身的リスクとしても問題となることがあります。
腎機能障害腎機能障害では易感染症や口腔感染症が発現することがあり、循環器系疾患との合併症に注意します。
呼吸器疾患気管支喘息
慢性閉塞性肺疾患(COPD)慢性気管支炎、肺気腫またはその両者の併発による閉塞性換気障害を主徴とします。患者さんの大部分は喫煙歴があり、喫煙は最も重要なリスクファクターです。インプラント治療に際しては、ほとんどのCOPD患者に呼吸困難が認められるため、長時間の手術や治療を行うことができません。短時間でも症状憎悪の誘因となるようなストレス(疼痛、咽頭部への水の流れ込み、切削片や器具の誤嚥など)は極力避けなければなりません。
糖尿病糖尿病のリスクとしては次のようなものがあります。
糖尿病はインプラント体埋入手術、および予後に対するリスクファクターです。
骨粗鬆症骨粗鬆症のリスクとしては次のようなものがあります。
インプラント治療では、インプラント体埋入手術により骨への侵襲が加わることが問題となりますが、上部構造装着後も、インプラントには天然歯のような上皮付着の機構がないため、常に生体内環境と外部環境が交通している状態であり、インプラントの治療期間、あるいはメインテナンス期間すべてにわたってARONJ発生のリスクがあると考えられます。したがって、骨吸収抑制薬やビスフォスフォネート系薬剤を投与されている患者に対するインプラント治療では、処方医師と密接な連携を取り、慎重な手術、厳重なメインテナンスの対応が必要とされ、さらに将来的なインプラントの経過不良や顎骨壊死の可能性について十分なインフォームド・コンセントがなされなければなりません。
自己免疫疾患潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、シェーグレン症候群、天疱瘡、膠原病などの自己免疫疾患に罹患している患者さんには、ステロイド薬が長期間にわたって投与されている可能性が高いです。ステロイド薬が投与されている患者さんのリスクには、副腎不全、易感染性、骨代謝への影響、口腔乾燥などがあります。
骨代謝への影響ステロイド薬が骨形成・骨吸収に影響を及ぼします。そのため、ステロイド薬はオッセオインテグレーションの獲得・維持においても大きな問題となります。また、続発性骨粗鬆症のうち最も頻度の高いものは、ステロイドの長期投与により生じるステロイド性骨粗鬆症です。ステロイド性骨粗鬆症のガイドラインによれば、第一選択薬はビスフォスフォネート系薬剤であるため、ステロイド薬投与患者のインプラント治療は、オッセオインテグレーションの獲得・維持についても大きなリスクを背負っているばかりではなく、その治療薬によるARONJ発現のリスクも伴っていることになります。
口腔乾燥口腔乾燥をきたす自己免疫疾患では口腔内清掃が困難な場合もあり、オッセオインテグレーション維持のリスクとなりうるので注意が必要です。
精神・神経系疾患精神疾患神経症、統合失調症、人格障害、うつ病などの精神疾患により、感情面の長期の安定が得られていなければインプラント治療は避けましょう。 うつ病における自殺の危険性や統合失調症における幻聴、幻覚、被害妄想などがインプラント治療を契機に発現、あるいは悪化する可能性があります。
パーキンソン病パーキンソン病とは、手指や下顎、上股の振戦、動作や歩行困難といった運動障害を示す進行性の精神変性疾患です。手指の運動障害が生じるため、インプラント治療を実施した後に十分なメインテナンスが期待できず、施術に対する身体保持も困難となることが予想されます。そのため、パーキンソン病を発症した患者さんへの新たなインプラント治療は避けるほうが望ましいです。また、インプラント治療を施行した患者がパーキンソン病を発症した場合には、早期の段階でインプラント上部構造を口腔管理が容易な形態へ改変することが望ましいです。
※参考書籍 |
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Q28 | 審美的にはどうなりますか? |
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A28 | 今のお口の状態や全身状態に左右されます。それぞれの患者さんにより状況が異なりますので先生によくお聞きになってください。 |
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Q29 | インプラント手術前に服用する薬について教えてください。 |
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A29 |
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Q30 | インプラントがあごの骨を守るってホント? |
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A30 |
インプラントは、入れ歯を支える固定源になるだけではありません。固定源として働きながら、同時に、あごの骨が減るのを止める役割も果たしてくれます。治療に有利な条件作りに貢献してくれるたいへん頼りになる存在なのです。 |
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