詰めもの・被せもの
Q11 | 保険の前歯ブリッジって白くできますよね?裏側も白いのですか? |
---|
A11 |
保険の治療では表側が白いレジン(歯科用プラスチック)で裏側には金属が見えます。耐久性を持たせるために、金属のフレームで裏打ちしてあるからです。裏も全部白い審美治療のブリッジはオールセラミックスでしたら可能です。違いをご紹介します。 1.レジン前装冠ブリッジ(保険治療)金属(金銀パラジウム合金)のフレームに白い硬質レジン(歯科用プラスチック)が盛ってあり、金属を使うことで十分な強度を確保しています。見える部分は白く、歯の裏側には金属のフレームが見えます。金属の影響で、時間がたつと支台歯とかぶせ物の継ぎ目あたりが黒くなってしまうことがあります。レジンは水分を吸うため、長く使っているうちに黄ばんできますが、近年のいちじるしい品質向上により、変色しにくくだいぶ改良されてきました。 2.メタルボンドブリッジ(自費治療)金属のフレームに白いセラミック(陶材)を貼ってあります。自然なツヤがあり、着色や黄ばみが起こりにくい素材です。金属のフレームがある分、十分な強度があります。ただし金属のフレームを使っているため、セラミック本来の光の透過性は残念ながらありません。フレームに金を使うと歯の色がぐっと明るくなり、銀色の金属を使うと暗めに見えます。また、裏から見ると少しだけ金属のフレームが見えますが、それほどは目立ちません。 3.オールセラミックスブリッジ(自費治療)すべてが白いセラミック(陶材)でできています。自然なツヤがあり光を通すので、口もとに明るい印象を与え、うつくしい仕上がりが期待できます。汚れにくく、着色や黄ばみが起こりにくい反面、硬くて割れやすい面があるので、噛み合う歯を傷めないよう、また過剰な力がかからないよう十分配慮して治療を行います。メタルフリーなので金属アレルギーの心配がありません。 ※参考書籍 「nico 2009.9 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q12 | ブリッジがむし歯になって再治療中です。作りものの歯がむし歯になるなんて、思ってもみなかったのですが・・・。 |
---|
A12 | 支台歯がすでに神経を取ってある歯の場合、むし歯になっても痛みを感じません。そのためむし歯の発見が遅れがちです。ブリッジの治療後も定期的に歯科医院のメインテナンスを受け、むし歯菌を減らしてお口の環境を良好に保っていきましょう。 ※参考書籍 「nico 2009.9 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q13 | ファイバーコアって何ですか? |
---|
A13 | ファイバーコアとは、繊維(ファイバー)でできた芯棒(ポスト)のことです。 最近では、従来から使われている金属の心棒にかわり、グラスファイバーでできていて柔軟性が高くより歯にやさしい心棒も使われています。破折の予防効果が高くおすすめです。 大きなむし歯ができたとき、ばい菌が入って腐敗した神経をきれいに掃除し、歯の下半分を残してそこに被せ物をかぶせ、「もう一度使っていこう」というのが、差し歯の治療です。歯質を失って弱くなった歯は、再び噛む力に耐えられるように補強をしなければなりません。それが差し歯の土台作りで、家の基礎を作るとき、コンクリートの中に鉄骨を入れるのと同様、強度が必要な時に芯棒を使うわけです。 ファイバーコアのメリット1.腐食やアレルギーがなく歯肉への影響がない
|
---|
Q14 | 将来、絶対オールセラミックスの前歯にしたいです。でもいまのところは当座、保険の前歯でもいいかな、と思っています。そのときになったらやり換えればいいですよね? |
---|
A14 | 保険の治療をオールセラミックスに換えるにはコア(支台)や心棒ごとに作り直しになります。歯質がしっかり健康に残っていればもちろんやり換えはできますが、しかし最初からご希望の治療方法を選択したほうが歯への負担が二重にならずにすみます。将来的に審美治療をご希望なら目先の治療を選ばず、ご希望の治療法も考慮に入れて検討することをおすすめします。 |
---|
Q15 | 古い詰め物が取れて、ずっと放っておいたら反対側の新しい詰め物も取れちゃいました。歯医者さんの腕が悪かったのでしょうか? |
---|
A15 | 詰め物が取れたまま放置していると、反対側のも取れるのはよくあることです。噛み合わせの変化で力のかかり方が偏ったり、片方でばかり噛むために起こりがちなのです。腕が悪かったわけではないと思いますよ。 |
---|
Q16 | 付けたばかりのインレーがとれました。なぜでしょう? |
---|
A16 |
「すぐに」ということであれば、以下のような問題が考えられます。
|
---|
Q17 | 詰めもの・被せものが外れた時、どんなことに気をつけたらよいですか? |
---|
A17 |
受診するまで対処法外れた補綴物はティッシュで包んでしまうと誤って捨ててしまうこともあるので、容器、なければラップで保管し、受診の際に持参して下さい。 受診するまでにしてはいけないこと1.外れた補綴物を再び歯に戻すこと再び外れ、補綴物を誤飲することがあるため 2.市販の接着剤を使用してくっつけること●唾液や細菌を閉じ込めて状態が悪化する 飲み込んだ場合の対処法多くの場合は、胃に入り排泄されるようですが、気管支や肺、腸などで引っ掛かったり、入り込んだりすることも考えられます。 |
---|
Q18 | 保険の銀歯(金属冠)について教えてください。 |
---|
A18 | 現在、保険適用されているものの中で1番多く使用されているのは、12%金銀パラジウム合金という金属です。これは、金12%、銀46%、パラジウム20%、銅20%、そして少量のスズ、亜鉛などが含まれています。金属なので強度が強く、ほとんどの部位に使用できますが、見た目が悪く、アレルギーなどを引き起こす可能性もあります。 材質「金銀パラジウム合金」と「ニッケルクロム合金」の2種類が指定されています。 価格約3000~5000円です。(3割負担の場合) メリット金属なので強度が高い。保険適用なので安価。 デメリット
治療期間最短2回(型取り→装着) 平均耐用年数2~5年(材料そのものの劣化) 平均使用年数7.1年(トラブルが起こるまで) |
---|
Q19 | 仮着のときはどのようなことを確認しますか? |
---|
A19 | 咬合、清掃性、審美性・形態、根尖病変の予後や歯周組織の変化を確認します。また、その他患者さんの要望により確認する内容もあります。 ※参考書籍 |
---|
Q20 | ジルコニアって何? |
---|
A20 | ジルコニアは、Zirconium(原子番号:40)の安定酸化物である二酸化ジルコウム(ZnO2)の総称です。
Zirconiumは金属、Zirconiaは「セラミック」、その中でも「ファインセラミック」の一つとされ、天然で採取されるジルコン砂(Zircon sand)から湿式で精製され、加熱により粉末になります。
純粋なジルコニアは常態で白色の個体、融点が約2715℃、沸点が4300℃と高く、白色顔料、耐火物、高温接着剤に応用されており、種々の元素と固溶することで相変位を安定化させ、性質を変えることができます。このような特性を活かし、宝飾品、光ファイバー用コネクタ、酸素センサー、排ガス浄化触媒、人工関節骨頭にも応用されています。
ジルコニアには3つの結晶系が存在し(単斜晶、正方晶、立方晶)、温度により転移します。また、応力によっても変態を起こします。
純粋なジルコニアは室温では単斜晶系が最も安定します。Y(イットリウム)、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Ce(セリウム)などのイオンを固溶することで、常温で安定した正方晶、立方晶になり、温度の変化による破壊を抑制でき安定、または準安定となります。(例:立方晶ならキュービック・ジルコニア)
固溶量を少なくすると正方晶が常温で安定します。この状態のものをPSZ(Partially Stabilized Zirconia)と呼びます。PSZの中でも、Yが3mol%(5.4w%)、またはCeが10~12mol%のときは、常温で正方晶を100%にすることができます。TZP(Tetragonal Zirconia Polycrystal)は正方晶多結晶体と呼ばれます。
※参考書籍 |
---|