審美
Q1 | 歯を傷めずに白くできるのはなぜ? |
---|
A1 |
歯のホワイトニングに用いられる薬剤は過酸化水素や過酸化尿素。この薬剤が分解したフリーラジカル(・OH)が、歯のなかに入り込んでいる「汚れ=着色物質」などの有機物を分解すると、着色物質の色が消えて歯が白くなります。作用したあとの薬剤は酸素と水(や尿素)に変化します。こうして、歯そのものを傷つけることなく安全に漂白できるというわけです。
※参考書籍 「nico 2015.10 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q2 | ホワイトニングは歯の健康にもいいと聞きましたが、本当ですか? |
---|
A2 |
その通りです。殺菌、再石灰化も期待できます。 歯のホワイトニングのルーツは、歯周病菌を過酸化水素で除菌するという歯周病の治療法。ホワイトニングの薬剤には漂白作用とともに殺菌作用もあり、むし歯菌や歯周病菌のリスクの軽減にとても有利なのです。 また、歯の表面はふだん、唾液のタンパク質(有機物)でできた「ペリクル」という膜で覆われています。ホワイトニングをすると、この膜がなくなり歯は裸の状態になりますが、この機をとらえて歯にフッ素やリン・カルシウムを供給すると、ペリクルが邪魔せず再石灰化がよく進み、歯をより硬く丈夫にできることがわかっています。
※参考書籍 「nico 2015.10 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q3 | ホワイトニングは歯を強くするってホント? |
---|
A3 | ホワイトニングで歯を硬く、丈夫に!ホワイトニング剤の主成分である過酸化水素は口腔内や唾液中に浮遊している歯周病菌やむし歯菌に対して殺菌作用を示します。さらに、歯を覆っているペリクルを一時的に消失させて歯の中へと入り込んでいくため、ホワイトニング後の歯はフッ化物が浸透しやすくなるのです。 ただし、この過酸化水素は、バイオフィルム(水分と菌体外多糖の基質内に細菌がパックされた巣)は分類できないため、「病原性の高いバイオフィルム」が原因とされる歯周病やむし歯を治療することはできません。 定期的なメインテナンスでプロフェショナルケアを受けて、バイオフィルムを破壊しながら良好なセルフケアとホワイトニングで病原性の低い状態を維持することが、歯周病、むし歯の予防につながるでしょう。
※参考書籍 |
---|
Q4 | ホワイトニングの効果とともに歯の健康を長期的に持続するためにはどうしたらよいですか? |
---|
A4 |
現在歯科では、歯の健康を長期的に守るため、定期的なメインテナンス(検診+クリーニング)を強くおすすめしています。定期的にメインテナンスを受けると、歯の色の後戻りを遅らせることができるのはもちろん、歯の健康維持や、ひいては健康で若々しく歳をとるお手伝いができると私たちは考えています。ホワイトニングを機会に、定期的なメインテナンスをはじめてみてはいかがですか?
※参考書籍 「nico 2015.10 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q5 | 私の歯、なんだか黄色っぽい気がします。若い頃はそれほどではなかったのですが、年とともに歯の色って変わるのでしょうか? |
---|
A5 |
年齢を重ねると象牙質の厚みが増す一方、エナメル質はすり減り薄くなるので歯の色が目立ってしまうことがあります。 若い頃年齢を重ねると・・・
※参考書籍 「nico 2015.10 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q6 | ホワイトニングを避けた方がよいケースを教えてください。 |
---|
A6 |
※参考書籍 「nico 2015.10 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q7 | ホワイトニングが困難なケースを教えてください。 |
---|
A7 |
いくつかありますので、以下を参照してください。 1.エナメル質や象牙質が形成不全の歯痛みの原因になったり、白く目立ってしまう場合があります。 2.深い亀裂やむし歯の穴の開いた歯痛みの起きるおそれがあり、事前に治療が必要です。 3.被せ物や詰め物には効きません天然歯との色調の調和については歯科医師と相談を。 4.金属により変色が起きている歯無機物による変色にはホワイトニングは効きません。
ヒビヒビの状態によっては、知覚過敏抑制剤を歯に塗るなどしてからホワイトニングを行います。 バンディングホワイトスポット(エナメル質形成不全症)部分的に歯のきめが粗いために、そこだけ薬剤が早く浸透し、ホワイトニング効果が強く現れます。ホワイトニングを重ねるうちに周りも白くなり目立たなくなっていきますが、いくらかムラが残ることもあります。
※参考書籍 「nico 2015.10 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q8 | ホームホワイトニングのメリット・デメリットを教えてください。 |
---|
A8 |
ホームホワイトニングとは、ご自宅で行っていただくホワイトニングです。 1日2時間×2週間の使用が目安です。 メリット
デメリット
※参考書籍 「nico 2015.10 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|
Q9 | ホワイトニング効果が出やすい歯と出にくい歯があるってホント? |
---|
A9 | ホワイトニング剤は歯の表面を覆っている「ペリクル」を一時的に除去して歯の中に入り込み、変色の原因物質を白くしていきますが、作用は大きく分けて2つあります。 1つ目は歯の有機質や無機質と変色の原因物質との結合を切り離すこと、2つ目は原因物質の分子を細かく切り、バラバラにすることで変色を目立ちにくくすることです。 暖色系と寒色系でくらべると、暖色系の変色歯のほうがホワイトニング効果は目立ちます。これは、変色の原因物質を脂肪量に例えてみると分かりやすいでしょう。 脂肪量が多い(変色原因物質の分子量が大きい)、太った人(暖色系の変色歯)は、少し痩せる(色が変わる)だけでもダイエット(ホワイトニング)効果が目立ちますが、脂肪量が少ない(変色原因物質の分子量が小さい)痩せている人(寒色系の変色歯)は、少し痩せても目立たないというわけです。 白くなりにくい歯の例1)若い人の歯ほど白くなりやすく、ご高齢のかたの歯を真っ白にするのはむずかしいです。これは、長年唾液で鍛えられた歯のほうが硬く密で、薬剤が作用できる有機物が少ないからです。若い人の歯は有機物が多いので薬剤が作用しやすいのです。でも、ご高齢のかたの口元は、少し白くするだけでもグッと若々しく見えますよ。ぜひトライしてみてください。 2)エナメル質にボリュームがないところほど、効果が上がりにくいです。たとえば、エナメル質が薄い、歯と歯ぐきの境目付近などは、色調が改善しにくい場所です。 3)ホワイトニングによる色調改善には限界があり、色調が濃い場合、とくに黒や青の色調は改善しにくいです。真っ白にはできませんが、色を薄くすることはできるので、あきらめずにご相談ください。
※参考書籍 「nico 2018.11 クインテッセンス出版」
|
---|
Q10 | ホームホワイトニングの注意点を教えてください。 |
---|
A10 | 1.つけ過ぎはもったいないつけ過ぎはジェルの無駄です。用量どおりにお使いください。装着時にトレーからこぼれた薬剤は、ティッシュや綿棒で拭き取りましょう。また、2時間以上装着し続けても、薬剤の働きが薄れるため、それほど効果は上がりません。
2.飲食物に気をつけてホワイトニング後の歯はペリクル(唾液のたんぱく質でできた膜)がなく、着色や知覚過敏が起きやすい状態です。ペリクルができてくる少なくとも3~4時間は色の濃いもの、酸の強いものは避けましょう。夕食をすませた就寝前のホワイトニングがおすすめです。
3.トレーの清潔を保とう使い終わったトレーは、歯ブラシを使って毎日きれいに洗いましょう。しっかり乾燥させることが大事です。熱湯消毒は形がゆがむのでやめましょう。
4.歯みがき剤で歯を丈夫にホワイトニング後のペリクルのない歯は、知覚過敏が起きやすい一方で、再石灰化も進みやすい状態です。知覚過敏予防ペーストをトレーに入れてケアしたり、フッ素やリン・カルシウム配合のペーストを使って歯を丈夫にしましょう。
※参考書籍 「nico 2015.10 クインテッセンス出版株式会社」 |
---|