歯内療法
Q21 | 痛くなくなったらもう通わなくていい? |
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A21 | 治療が順調に進むと、治療が終了する前に痛みや違和感が消え、治療の途中でもかなり楽になるはずです。 |
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Q22 | だいぶ前にシミて痛いのを我慢していたら痛みが消えたので「治った!」と思っていたんです。ところが先日その歯がすごく痛くなって今度神経を取らなきゃいけません。痛みがなくても、むし歯が悪くなることってあるんですか? |
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A22 | むし歯の炎症で神経が死ぬと、歯の内部で痛みのセンサーが働かなくなりいったん痛みが消えるんです。油断していると、さらに炎症が拡大してしまいます。異常を感じたら放っておかず歯医者さんを受診しましょう! ※参考書籍 「nico 2017.6 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q23 | 歯肉溝からの排膿は歯周病が原因なのでしょうか? |
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A23 |
歯周病だけでなく、根管由来の感染が原因の排膿もあります。 初発病変はエンド由来で、歯肉溝から排膿しているような例を、まず念頭において診断をするべきです。
エンド-ペリオ病変の分類方法についてのナラティブレビュー
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Q24 | どういう状態のことを「炎症がある」というのでしょうか? |
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A24 | ①発赤(赤くなる)、②発熱(熱が出る)、③疼痛(痛い)、④腫脹(腫れる)が知られており、これに⑤機能障害を加えて炎症の5徴候といいます。
※参考書籍 |
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Q25 | よく急性炎症とか慢性炎症とかいいますが、どのように違うのですか? |
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A25 | 炎症は、その経過によって急性炎症と慢性炎症に分けられます。 経過がすみやかで、早期に終息する炎症を急性炎症といいます。 一方、組織障害が長期にわたる場合や、原因となる病原がなかなか処理されない場合には炎症が長引き、4週間以上続く炎症を慢性炎症といいます。
※参考書籍 |
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Q26 | 副鼻腔炎と思い、耳鼻いんこう科に行きました。そうすると歯科医院に行くことを勧められました。どういうことでしょう? |
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A26 | 歯と副鼻腔炎、上顎洞炎の関係について、次のように注意喚起している論文があります。 慢性細菌性上顎洞炎の244症例を有する198人の患者の研究で、症例の40.6%に歯の病因を発見した。 Malen I, Lindahl L, Andreasson L, Rundcranz H: Chronic maxillary sinusitis. Definition, diagnosis and relation to dental infections and nasal polyposis. Acta Otolaryngol, 101: 320-327, 1986.
歯科病理学の証拠について上顎洞炎と一致する所見を有する82症例のCBCTをレビューし、これらのうち50%以上が歯に原因があると結論づけた。 Maillet M, Bowles WR, McClanahan, SL: Cone-Beam computed tomography evaluation of maxillary sinusitis. J Endod, 37: 753-757, 2011.
副鼻腔疾患が重度になるほど歯の病理に関連する可能性が高くなり、重度の影響を受けた上顎洞の最大86%の感染が歯に原因を有することを発見した。 Bomelli SR, Branstetter BF, Ferguson, BF: Frequency of a dental source for acute maxillary sinusitis. Laryngoscope, 119(3): 580-584, 2009.
片側副鼻腔炎の症例の72%が歯原性に原因があることを発見した。 Matsumoto Y, Ikeda T, Yokoi H, et al: Association between odontogenic infections and unilateral sinus opacification. Auris Nasus Larynx, 42: 288-293, 2015.
※参考書籍 |
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Q27 | 歯に原因はないのに歯に痛みが出ることってあるの? |
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A27 | そのような痛みのことを「非歯原性疼痛」といいます。 痛みの特徴としては、下記が挙げられます。 1.(原因が見当たらないのに)自発痛が多数歯に及ぶ 2.痛みを説明できる歯科的原因が、局所に見当たらない 3.刺激的、灼熱的、非拍動性の歯痛(炎症性の痛みと異なる) 4.一定不変で間断のない歯痛(痛みに波がない) 5.継続的で再発性の歯痛 6.(痛みを感じている部位に)麻酔をしても痛みに変化がない(診断的局所麻酔) 7.理にかなった歯科治療を行っても、痛みに変化がない
口腔顔面痛の最新ガイドライン 改定第4版. クインテッセンス出版, 東京, 2009.
いわゆる炎症性の痛みとは異なる状態が存在する場合、非歯原性の痛みである可能性があります。 非歯原性疼痛は様々な要因によって引き起こされ、次のようなものがあります。 1.三叉神経痛たとえば歯のブラッシングや食事あるいは顔を触った際のような、無害な刺激な後に引き起こされます。その痛みは突然発症し、鋭く撃つような電撃的な痛みで数秒で終わります。脳内の動脈や静脈による三叉神経の圧迫が原因ではないかと考えられています。 2.前三叉神経痛顔面や歯にぼんやりした深い鈍痛を持続的だったり間欠的に感じる痛みのことです。三叉神経痛に移行することがあるため、“前三叉神経痛”と呼ばれています。 3.非定型歯痛(幻歯痛)痛みは歯に入っている末梢神経ではじまりますが、中枢性の神経系の一部に変化をもたらし、歯痛を感じるように進行してしまいます。 4.慢性(複合性)局所疼痛症候群慢性局所疼痛症候群(CRPS)は、末梢神経のダメージによって発症し、神経系の末梢および中枢部分を変化させ、非定型歯痛にみられるものと似ています。非定型歯痛との違いは、交感神経系が関わっていることです。交感神経系は神経系の一部であり、いろいろな働きがありますが、その部位の血管が狭くなっているのが原因です。痛みは、「焼けるような」と表現され、軽い接触や他の刺激が引き金となります。CRPSは腕や脚に頻繁に発症しますが、顔面にも起こることがあります。 5.神経血管痛(頭痛の関連痛)偏頭痛、群発性頭痛、連続性片頭痛は脳の神経および血管の変化に由来するタイプの頭痛です。あるケースでは、三叉神経からの関連痛により、これらの頭痛が歯のなかに感じ歯痛となることもあります。痛みは持続的、激痛、拍動性、また緩和される時期もあります。 6.心臓由来の歯痛狭心症や急性心筋梗塞といった心疾患では、関連痛が肩や腕または顎にさえ現れることがあります。また関連痛は歯にも表れることがあります。胸の痛みと関連していることもあります。歯痛が心臓由来である場合には、運動によって疼痛は増加し、投薬(たとえばニトログリセリン錠とか)により痛みは減少します。 7.上顎洞/鼻由来の歯痛上顎洞粘膜や副鼻粘膜の問題が、上顎の歯に関連痛を引き起こすことがあります。上顎の数本の歯に鈍く持続性や拍動性の痛みを感じます。また目の下の部分に圧を伴うことがあり、頭を下に下げたり、咳や鼻をすすることで上顎洞に圧が加わると痛みが増してきます。冷水反応や咬合、打診反応のような歯の検査で、上顎洞由来の痛みは強くなってきます。 8.頸部における新生物あるいは他の病変腫瘍は歯の神経の近くの部位にも現れることもあり、それにより歯が緩く感じたり、動いたり感じる原因になります。 9.唾液腺機能不全唾液腺からの関連痛で歯の痛みを感じることがあります。また歯および周囲組織の健康を損ねることによって、唾液の欠如が起き、歯痛を引き起こすこともあります。 10.心理的な障害心理学的障害は歯痛の原因ではなく、増幅因子と考えられています。 ※参考書籍 |
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Q28 | 根尖切除術ってなんですか? |
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A28 | さまざまな症例のなかには、歯の上のほうからファイルをさし込んで掃除をするだけではうまく治らないものもあります。そうした難症例の歯を抜歯から救うために用いられるのが根尖切除術です。 |
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Q29 | 歯が原因で歯性上顎洞炎と言われましたが本当ですか? |
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A29 | 上顎洞炎の10~12%が歯性上顎洞炎であると言われてきましたが、コーンビームCT(CBCT)による診断が可能となった現在、その発生頻度は以下の報告のように高くなってきています。 ・慢性上顎洞炎の感染原因は40%以上が歯に起因する(Patel) ・上顎洞炎を有する患者の上顎小、大臼歯部をCBCTにより診査した結果、50%以上に根尖病変が認められた(Maillet) ・上顎洞炎と診断された52人の患者のうち、55.7%は根尖が上顎洞内に突出しており、それらの79.3%は上顎洞粘膜が2mm以上肥厚していた(Yildirim) 歯性上顎洞炎の原因を報告した論文は少なく、インプラントが原因の歯性上顎洞炎が37.0%、抜歯によるものが29.6%、根尖病変に起因するものが11.1%であった(Lee)という報告があります。 副鼻腔の炎症は、鼻閉、鼻漏、後鼻漏といった鼻症状に加え頭痛、頬部痛、顔面圧迫痛を伴うもので、患者さんのQOLに大きくかかわる疾患です。 歯性上顎洞炎の経過には急性と慢性がありますが、急性期には片側性の頬部痛や鼻閉を伴うことが多く、鼻症状の前に歯痛をきたすこともあり、歯髄炎と誤って抜髄することのないよう注意が必要です。 ※参考書籍 |
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Q30 | 歯が痛いのですが原因がわからないといわれ、歯科医院にいっても治りません。どういうことでしょうか? |
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A30 |
歯の痛みには、歯原性歯痛と非歯原性歯痛があります。 歯原性歯痛歯や歯周組織に生じた器質障害や炎症により、当該部位あるいはその関連部位に自覚される歯痛のこと 非歯原性歯痛歯や歯周組織以外に生じた痛みを、関連痛の一つとして歯や歯周組織に自覚される歯痛のこと
注意してほしいことは、非歯原性歯痛は主な原因が歯にないということであり、歯に問題がないということではないということです。 例えば、顔面痛で経過が長い場合は、しばしば知覚神経に可塑化を引き起こし、三叉神経痛様や帯状疱疹後神経痛様など、さまざまな痛みに姿を変えます。そこで、歯に何らかの問題があると、その歯を標的に顔面痛が非歯原性歯痛として現れ、歯痛化すると考えられています。 よく診査をしてみないとはっきりとしたことは言えませんが、もしかしたら非歯原性歯痛の可能性も考えられます。 ※参考書籍 |
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