歯科用語集

Q81 「PCR法」ってなんですか?
A81

ポリメラーゼチェーンリアクション、ポリメラーゼ連鎖反応法ともいいます。歯周病源細菌や生体の遺伝子多型などの遺伝子診断のために用いられる生化学的手法のことです。既知の遺伝子の特定領域をDNA合成酵素と伸長用プライマーを用いて数十万倍に増幅し、アガロース電気泳動あるいはブロッティングやELISA(enzyme-linked immunosorbent assay, 酵素免疫測定)法によって増幅されたDNAを検出する方法です。

※参考書籍
 「歯周病学用語集」
 日本歯周病学会 編  医歯薬出版株式会社

Q82 「根尖部フェネストレーション」ってなんですか?
A82

歯の根の先端(根尖部)が骨から飛び出ている状態のことです。根尖部の頬側が骨に被覆されていない場合、生活歯(神経のある歯)では無症状ですが、失活する(神経のない歯)と根尖部圧痛を感じることがあります。この場合、CTによる診断が有効です。

※参考書籍
 「日本歯科医師会雑誌 2017 VOL70 NO.3」
 公益財団法人 日本歯科医師会

Q83 「サルコペニア」ってなんですか?
A83

サルコペニア(sarcopenia)はギリシア語で「肉」を意味する「サルコ(sarx)」と、「喪失」を意味する「ペニア(penia)」からなる造語です。

つまり、サルコペニアは、筋肉が減少していることを指します。進行性ならびに全身性に生じる骨格筋量ならびに骨格筋力の低下を特徴とする症候群です。筋肉量の低下を必須項目として、筋力または運動能力のいずれかがあればサルコペニアと診断されます。また、加齢に伴う筋肉量の低下と筋力または身体能力の低下が起こることはサルコペニアであり、フレイルの一部と重なります。

※参考書籍
 「健康寿命延伸に寄与する老年歯科医療」
 松風歯科クラブ

Q84 「ロコモ」ってなんですか?
A84

ロコモ(locomotive syndrome)は運動器の衰え・障害(加齢や生活習慣が原因と言われる)によって、要介護になるリスクが高まる状態のことを言います。

Q85 「フレイル」ってなんですか?
A85

フレイル(frailty)とは年齢に伴って、筋肉や心身の活力が低下した状態です。「加齢に伴うさまざまな臓器機能変化や恒常性・予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態」と定義されています。したがって病気ではなく、「状態」のことをいいます。

フレイルとは?

次のような論文データが報告されています。

〇歯数が少ない人、補綴治療を受けていない人はフレイルが多い。

〇歯の欠損や重度歯周病の者はフレイルになりやすい。

※参考書籍
 「健康寿命延伸に寄与する老年歯科医療」
 松風歯科クラブ

Q86 「オーラルフレイル」って何?
A86

滑舌低下、わずかのむせや食べこぼし、噛めない食品の増加が生じた状態であって、まだ疾病には至っていないものの口腔の機能低下が認められる状態のことです。

身体機能の衰えはフレイルといいます。

※参考書籍
 「健康寿命延伸に寄与する老年歯科医療」
 松風歯科クラブ

 「nico 2020.5 クインテッセンス出版株式会社」

Q87 「認知行動療法」ってなんですか?
A87

認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy : CBT)とは、行動療法と認知療法の総称です。両者を統合した技法を指すこともありますが、広い意味では、行動療法と認知療法のいずれか、あるいは両方を行うことを指します。

行動療法とは、患者さんに問題を起こしている誤った行動を修正する方法です。

認知療法とは、ある事柄に対する本人の考え(認知)を修正する方法です。

※参考書籍
 「歯科医師・歯科衛生士のための認知行動療法」
 松岡 紘史、安彦 啓裕 著  医歯薬出版株式会社

Q88 「SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)」ってなんですか?
A88

SPT(Supportive Periodontal Therapy)とは、歯周病安定期治療のことです。

歯周病治療後の歯周組織検査で病状が安定したと診断されると、次のステップとして継続的な病状の安定維持、つまり再発防止を目指します。SPTでは、プラークコントロール、スケーリング、ルートプレーニング、咬合調整などの治療を主体とした定期的な治療を行います。SPTが「治療」であることに対し、メインテナンスは「健康管理」です。

Q89 「Tooth wear」ってなんですか?
A89

 物理・化学的に歯の表面が減ることです。

※参考
 「非う蝕性の歯質欠損を再検証するin2020」 黒江 敏史 先生

Q90 「NCCL」ってなんですか?
A90

う蝕以外の原因で歯頸部の歯質が減ることです。

※参考
 「非う蝕性の歯質欠損を再検証するin2020」 黒江 敏史 先生

お探しの情報は何ですか?

関連記事

このページを見た人は以下のページも見ています