歯周病
Q11 | 機能性ガムを噛んでいれば歯周病にならないって本当ですか? |
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A11 |
近年、「歯を丈夫にする」「むし歯予防」などの機能性ガムが登場してきました。 しかし、ガムを噛むだけでは、むし歯や歯周病は防ぐことができません。とくに歯周病の場合は、歯ぐきの根元のプラーク(歯垢)を歯ブラシで機械的に落とす必要があるのです。
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Q12 | 歯周病には歯肉のマッサージがいいと聞きましたが、本当ですか? |
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A12 |
高齢者の中には、「歯槽膿漏(歯周病)が良くなる」と信じて、せっせと指で歯肉のマッサージをしている人がいます。これはおそらく、マッサージすることで、歯周病が悪化して腫れた歯肉の膿やたまった血が排出され、歯肉が引き締まって良くなる、という考えによるもののようです。 しかし、「歯肉をマッサージして歯周病が治った」ということを証明した研究や論文は一つもありません。 歯肉のマッサージ自体は悪いことではありませんが、わざわざ指でマッサージするよりも、歯ブラシで歯と歯肉の境目のプラークを除去しながら歯肉をマッサージするほうが炎症が軽減するため、歯周病の予防や改善には効果的といえるでしょう。
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Q13 | 歯周病で歯が抜けてもインプラント治療をすれば大丈夫ですよね? |
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A13 | 歯周病で歯が抜けてしまうと、一昔前までは入れ歯にするしかありませんでした。近年は人工歯根を埋め込んで再建する「インプラント治療」が普及しました。「インプラントがあるから歯が抜けても大丈夫」と、安心感を持つ人が増えています。 しかし、歯周病のために骨が破壊され、人工歯根を埋め込むことができない場合もあります。また、埋め込めたとしても清掃が不十分だと「インプラント周囲炎」といわれる感染が生じ、抜かなければならないことも。ブラッシングがきちんとできないままでは、インプラント治療はできません。
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Q14 | 歯は抜かずに残したほうがよいと思います。何よりも「抜かない」治療が最優先ではありませんか? |
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A14 |
抜歯したほうがいいこともあります。 歯周病が進行してしまった歯を残しておくと、その歯を支えている歯槽骨だけでなく、隣の歯や周辺の骨にまで悪影響を及ぼします。骨がかなり溶けて、すでに噛む機能を果たしていない歯を残していても何の役にも立ちません。
歯周病の炎症は、歯石の表面などに付着した歯周病菌などが、毒素を出し体内に入り込もうとするのを防ぐために生じています。さらに歯肉の奥にある骨は、近づいてくる歯周病菌に感染するのを防ぐために、自ら溶けて逃げ、細菌との距離を保とうとするのです。歯の周囲の骨がすべてなくなった状態は、もう歯が体の一部ではなく「歯周病菌に侵された異物」と判断されたということで、体のために抜歯する必要があります。
このような場合は無理に残しても、結局抜かざるを得なくなるケースがほとんどで、かえって抜いた後の状態が悪くなって入れ歯を入れるのが難しくなったり、腫れや痛みが生じたりするなど不快な症状を繰り返す原因にもなります。
歯を残したいという患者さんの気持ちも理解できます。ただ、歯科医師も必要があるから抜歯をするのです。主治医の説明に納得できないときは、他の歯科医師を受診して意見を聞くのもいいでしょう。
■抜歯後は歯を補う治療が必要抜歯した場合、そのままにしておくと食べ物が噛みづらいだけでなく、スペースを埋めるように隣の歯が寄ってくるので噛み合わせが悪くなります。また、歯と歯の隙間が広がってむし歯にもなりやすくなるので、失った歯を補う治療が必要となります。歯の欠損を補う治療はブリッジ、インプラント、入れ歯、移植の4つがあります。しっかり歯科医師と相談して治療を進めましょう。
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Q15 | 歯周病の進行に個人差はあるのでしょうか?若いうちは歯周病の心配はしなくてもいいですか? |
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A15 |
同じ民族で、同じ場所に住み、同じようなものを食べていても、歯周病の進み方は人によって違うことが分かっています。先進国でも歯周病患者の10%前後は重症になることが報告されています。また、日本臨床歯周病学会がおこなった歯周病実態調査では、30~40代の若い世代でも重度歯周病患者が15%ほどを占めていました。
喫煙や糖尿病が歯周病のリスク因子であることはよく知られていますが、それとは関係なく、歯周病の約1割は「侵襲性歯周炎」という5~10年で急速に進行するタイプであることがわかっています。侵襲性歯周炎には「若年性歯周炎」という別名があり、その名の通り10代20代という若い頃に発症し、そのままにしておくと歯がグラグラになって、40代ですべての歯を失ってしまったというケースもあります。
早い段階で発見し治療すれば進行を止めることもできますが、若い世代には歯周病という自覚がなく、歯肉が腫れる、出血しているという症状が出ていても見過ごしてしまうことが多いのが現状です。一般の歯科医師もあまりこの病気の認識がなく、早期発見の機会を逃してしまうことがあります。
侵襲性歯周炎の人が家族にいる場合は、遺伝的な素因や生活習慣も似ているため、発症する確率が高く、より注意することが必要です。また一般的な歯周治療では治らないことも多いので、異常に気づいたらできるだけ早く「歯周病専門医」を受診してください。
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Q16 | 定期的に歯周病を治療すると医療費がかさむのではないでしょうか? |
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A16 |
歯周病は全身疾患に大きく関わっています。 歯周病の予防や早期発見・治療は生涯にわたる医療費を抑えるポイントと言えそうなデータがあります。 自動車部品メーカー・デンソーの健康保険組合が被保険者の医療費を分析したデータで、歯科だけでなく医科の医療費も分析してありますので、参考にしてください。
・歯周病の人は一人当たりの医療費が年間平均15,800円多かった。・定期的な歯科健診を実施している事業所では医療費が5年間で最大23%減少した。一方、実施しなかった事業所では24%増加していた。
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Q17 | 犬猫の歯周病は人間の歯周病とは別物なのでしょうか? |
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A17 |
歯周病は人間だけではなく動物にも発症する病気です。とくに犬には歯周病が多いことが明らかになっています。犬の「歯科健診」で、76.3%に歯垢や歯石の沈着といった「歯周病予備軍」といえる症状が見られたという報告があります。(アニコム損害保険会社調べ)
また、人間の歯周病菌と同一の菌が犬の口から検出されたという報告もされています。ペットと飼い主で歯周病菌を相互にうつし合っている可能性も考えられるということなのです。人間が食べ物を噛みちぎってペットに与えたり、ペットが人間の口を舐めたりといった行為が、歯周病菌の感染ルートになっているかもしれません。なおペットは、「歯垢が歯石に変化するスピードが速い」、「ブラッシングが難しい」、「痛みや違和感を自分で訴えられない」といった理由から、人間よりも歯周病が重症化する傾向にあります。
(鹿児島大学・東京医科歯科大学 高橋香先生の取材より引用)
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Q18 | 歯周病のリスクチェックをしたいので教えてください。 |
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A18 |
「歯周病になりやすい危険度」を3段階に分けて表しました。 チェック項目のいずれにも該当しない人は、今のところ歯周病になる心配はほぼありません。危険度が低、中、高と上がるにつれ、さらに当てはまる項目が増えるにつれ、歯周病になる可能性は高まります。 チェックをして、まず自分がどの程度歯周病になりやすいのか、自覚してください。 危険度 低1つでも当てはまれば・・・ 危険度は低いですが「歯周病になる可能性がある」と自覚を。定期検診を受けましょう。 □40代である □思春期の女性 □妊娠中 □家族に喫煙者がいる □運動不足だ □しばしば深酒する 危険度 中1つでも当てはまれば・・・ 「歯周病になりやすい」状態。早めに歯科医院を受診してください。 □50代である □肥満 □ストレスをためやすい □親が歯周病だ □骨粗しょう症である □甘いものが大好き
危険度 大1つでも当てはまれば・・・ 歯周病になっている可能性が高いので、すぐに歯科医院へ。放置すれば重症化する危険があります。 □60代以上である □習慣的に喫煙している □毎日ブラッシングをしていない □かかりつけ歯科医院はない □長期間歯の定期検診を受けていない □更年期である(女性) □糖尿病患者である □歯ぎしりするクセがある □親が40代にして総入れ歯
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Q19 | 口の中を健康に保つにはどんなことに気をつければいいの? |
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A19 |
共通したリスクファクターへのアプローチとして、口腔健康促進の合理的な基盤を分析した研究報告があります。 口腔健康は、食事、口腔衛生、喫煙、アルコール、ストレス、外傷によって決定されます。これらの原因はいくつかの他の慢性疾患と共通するため、連動したアプローチを採用することは、特定の疾患一つに対してのアプローチより合理的です。共通したリスクファクターへのアプローチはさまざまな方法で実行でき、食品政策の実施と健康促進教育の開始は口腔健康の促進方法として効果的な一例です。 Sheiham A, Watt RG. (Community Dent Oral Epidemiol 2000; 28(6): 399-406.)※参考書籍 |
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Q20 | 歯周病の治療について教えて下さい。 |
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A20 |
歯周病は、細菌による感染症です。歯周病菌が原因で歯ぐきの腫れ・出血が発生します。 |
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