歯の痛み

Q31 どんな人が、口腔顔面痛になりやすいのでしょうか?
A31

あんどう歯科口腔外科 安藤彰啓院長  コメント

「統計的には、中高年の女性が多く、当院に来る患者さんも同じ傾向なのですが、その理由は、はっきりしていません。更年期障害によるホルモン異常が要因の1つであることも分かっていますが、それだけが原因ではないことも分かっています。もちろん、男性にも症状が出る事もあります。痛みのキッカケや原因は様々で、診断と治療のためには、多分野にわたる専門的知識が必要となります。そのための教育と研修を修了した者が、私のような口腔顔面痛のスペシャリストとなります。」

※引用サイト
 Doctors File あんどう歯科口腔外科 安藤彰啓院長

Q32 口腔顔面痛に関して、日常生活で気を付けるべきことはありますか?
A32

あんどう歯科口腔外科 安藤彰啓院長  コメント

「痛みをあまり我慢しないでください。ずっと我慢をして医者に行かなかったりとか、特に、治療を繰り返しても痛みが良くならないのに、とりあえず同じ場所に通院を繰り返すというのは避けたほうが良いでしょう。と言うのも、痛みというのは、長引けば長引くほど和らぎづらくなってしまうんです。また見た目で腫れているとか、少し赤くなっているとか、何かおかしいなと感じることがあったら、とにかくお医者さんに診てもらってください。問題がない場合も多いですが、大きな病気が潜んでいることもあるからです。痛みというのは、精神的なものが関係していることもありますから、診てもらってなんでもないと安心することも必要です。」

※引用サイト
 Doctors File あんどう歯科口腔外科 安藤彰啓院長

Q33 口腔顔面痛の治療とはどのようなものですか?
A33

あんどう歯科口腔外科 安藤彰啓院長  コメント

「歯や顎、舌など口の中の原因不明の痛みに対して、内科的なアプローチで治療を行います。風邪をひいたからと言って外科に行かないのと同じで、口の中やその周辺の痛みに対して、投薬や理学療法などで対処します。」

※引用サイト
 Doctors File あんどう歯科口腔外科 安藤彰啓院長

Q34 口腔顔面痛の主な症状は、どのようなものでしょうか?
A34

あんどう歯科口腔外科 安藤彰啓院長  コメント

「口の中から顎関節まで、顔の周りの痛み全てです。多いのは、原因不明の口の中の痛みや難治性の顎関節症などで、治療をしたけど痛みがなくならない、あるいは一時的に良くなったけど、痛みが再発しているなどです。」

※引用サイト
 Doctors File あんどう歯科口腔外科 安藤彰啓院長

Q35 ドライソケットについて教えてください。
A35

ドライソケットとは?

トライソケットというのは抜歯後に生じる特殊な術後疼痛のある抜歯窩のことで、典型的なものでは疼痛は抜歯後1-3日に発生し、通常は5日から10日間持続します1)。そのほか、抜歯後3~7日後に発生するものもあります2)

この種の抜歯後疼痛は抜歯の当日やその翌日に生じることはなく、抜歯後1-3日に突然生じるか、あるいは増大します。これが通常の抜歯後疼痛と異なるところです。通常の抜歯後疼痛は、抜歯日に麻酔が醒めたときに生じ、時間の経過とともに減弱します3)。このような通常の抜歯後疼痛と違ってドライソケットの疼痛は多くの場合、激しい拍動性疼痛であり、市販の鎮痛剤に反応せず、側頭部や耳、頚部などに放散します4)。そのほか、顕著な口臭や不快な味覚を訴えることもあります。しかしドライソケットはいわゆる感染ではないので2)、通常は発熱が見られることはなく、膿汁が形成されることもありません5-7)。抜歯窩には血餅が全くないか、あっても少ないです1)。その結果、抜歯窩は骨が露出しそれは黄灰色の壊死組織の層で覆われていますが8)、多くの場合そこは食片で満たされており、抜歯窩周囲歯肉の浮腫や所属リンパ節の腫脹などが見られます8)

ドライソケットの治療法

まず局所麻酔下で抜歯窩を微温食塩水で洗浄した後に、亜鉛華ユージノールの填塞材を柔らかく練和してヨードフォルムのリボン・ガーゼに塗布し、それを抜歯窩に挿入します。抜歯窩への填塞剤は、通常は毎日あるいは2~3日ごとに交換し、疼痛が緩和したら取り除きます2) 、8)

直ちに疼痛を緩和する方法として、2% lidocaine jelly を抜歯窩へ塗布する方法を推奨している論文があります9)。この方法はドライソケットの治療法というよりも疼痛に対する即効的な処置として利用されます。

ドライソケットの予防法はいろいろと発表されていますが、抜歯前と抜歯後にchlorhexidineによる含噺を行うこと以外の予防法には十分なエビデンスはないという結論が出されています10)。抗生物質の投与はドライソケットの予防効果がなく11)、治療にも効果はありません2)。ドライソケットの治療として抗生物質を全身投与することは、推奨されていません12)

1) Blum,I.R. : Contemporary views on dry socket (alveolar osteitis) : A clinical appraisal of standardization, aetiopathogenesis and management: A critical review. Tnt J. Oral Maxillofac. Surg., 31: 309, 2002

2) Holmgren,E.P. and Bagheri,S.C. : Alveolar osteitis. In “Clinical review of oral and maxillofacial surgery, 2nd edition, edited by Bagheri,S.C.” Elsevier Mosby, St. Louis, 2014

3) Kuriyama,T. et al. : Infections of the oral and maxillofacial region. In ‘Oral and maxillofacial surgery, edited by Andersson,L. et al.’ Wiley – Blackwell, 2010, P.564

4) Swanson,A.E. : A double – blind study on the effectiveness of tetracycline in reducing the incidence of fibrinolytic alveolitis. J. Oral Maxillofac. Surg., 47:165, 1989

5) Awang,M.N. : The aetiology of dry socket: A review. Tnt. Dent. J., 39 : 236, 1989

6) Field,E.A. et al. : Dry socket incidence compared after a 12 一 year interval. Br. J. Oral maxillofac. Surg., 23 : 419, 1985

7) Cardoso,C.L. et al. : Clinical concepts of dry socket the J. Oral Maxillofac. Surg., 68:1922, 2010

8) Fazakerley,M. and Field,E.A. : Dry socket: A painful post – extraction complication (a review). Dent. Update, 18 : 31, 1991

9) Betts,N,J. et al. : Evaluation of topical viscous 2% lidocaine jelly as an adjunct during the management of alveolar osteitis. J. Oral Maxillofac. Surg., 53:1140, 1995

10) Chow,O. et al. : Alveolar osteitis : a review of current concepts. J. Oral Maxillofac. Surg., 78: 1288, 2020

11) Bryant,C. : Tooth extraction. In “Operative oral and maxillofacial surgery, 2nd edition, edited by Langdon,J. et al.” Hodder Arnold, London, 2011, P.56

12) Deluke,D.M. et al. : Dentoalveolar surgery and preprosthetic surgery. In “Oral and Maxillofacial surgery secrets, 3rd edition, edited by Abubaker,A.M. et al.” Elsevier, St Louis, 2016, P266 (no28,29)

 

※参考書籍
 「近代口腔科学研究会雑誌Vol.47 No.2 P129~P136『DRY SOCKET』」
 近代口腔科学研究会

Q36 抜歯後の痛みについて質問です。ドライソケットとはどのような状態ですか?
A36

ドライソケットとは、肉芽組織によって内部が被覆され安定する前に、血餅が消失してしまう状態です。露出した骨面には嫌気性菌やスピロヘータが定着し、骨面の一部分は壊死に陥ります。血餅の消失は、細菌、局所組織、唾液による過剰なフィブリン溶解現象が原因と考えられています。

血餅が存在しないと、歯肉縁から軟組織が成長して骨を被覆し抜歯窩を満たさなければならなくなり、治癒が遷延します。

※参考書籍
 「66症例に学ぶ 歯科臨床の問題解決」
 Edward W. Odell 医歯薬出版株式会社

Q37 抜歯後、ドライソケットを起こしやすい要因は何ですか?
A37

ドライソケットを生じるリスク因子は以下のものがあります。

  • 侵襲の大きい抜歯
  • 下顎の抜歯、特に第三大臼歯(親知らず)
  • 女性患者、特に避妊薬服用患者
  • 喫煙者
  • 抜歯部位の感染もしくは最近の感染歴
  • 歯周病もしくは急性壊死性腫瘍性歯肉炎(抜歯部位にかぎらない)
  • 血餅形成のための血液供給を減少させる局所の骨病変や骨硬化症(パジェット病、セメント質骨異形成症、放射線治療後など)
  • 局所麻酔薬の過剰投与:抜歯窩周囲の過多な血管収縮が血餅形成を妨げる
  • 過去のドライソケットの既往
  • 若年成人から中年までの患者

 

※参考書籍
 「66症例に学ぶ 歯科臨床の問題解決」
 Edward W. Odell 医歯薬出版株式会社

Q38 かれこれ2年近く、右上奥歯の痛みに苦しんでいます。右上7はもともとありません。6が痛み、腫れや出血があり治療していたが治癒せず抜歯、今度は前の5が痛み、今は大学病院で根管治療中です。担当の先生からは、一度耳鼻科に行ってみては?と言われましたが、鼻水が出るなどの症状はないのですが、原因は何が考えられるのでしょうか?
A38

鼻に続く空洞(上顎洞)からの関連痛も考えられます。

歯痛と訴えられている方の数%は歯が原因でないと言われています。また、奥歯2本を失っているということで、前方の歯牙に過剰に負担がかかり、痛みが出るということも考えられます。

なるべく早めに奥の方でも噛めるようにされた方がよいと思います。

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