ご家庭でのケアについて
Q31 | 歯みがきのあと、口のなかからフッ素が流れてなくなっちゃうと思うのですが、どうやったら口のなかに残りやすいですか? |
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A31 |
たしかに、歯みがき剤のフッ素がなるべく口のなかに残ったほうが再石灰化の効果は上がりやすいです。ちょっとした工夫をお教えしましょう。
※参考書籍 「nico 2015.6 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q32 | 私はむし歯のできやすいたちですが、フッ素で予防できるのでしょうか? |
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A32 | 歯みがき剤を毎日使うのはもちろん、ほかにもフッ素の利用法がありますので、フッ素ジェル、フッ素洗口、フッ素塗布などいくつかの方法を組み合わせ、リスクに合わせて予防していきましょう。 ※参考書籍 「nico 2015.6 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q33 | フッ素の働きを教えてください。 |
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A33 | フッ素には大きく分けて3つの働きがあります。 1.唾液のなかに溶け出しているカルシウムイオンやリン酸イオンが結晶化しやすくなり、 ※参考書籍 「nico 2007.2 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q34 | フッ素でむし歯予防をするなんて子どもだけかと思っていたらおとなにも効果があるんだそうですね? |
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A34 | もちろんです。毎日フッ素入りの歯みがき剤を使いましょう。私たちの医院ではフッ素洗口毎日法をおすすめしています。フッ素はエナメル質や象牙質を強化してむし歯になりにくい歯を作ります。毎晩就寝前に使って、長時間お口のなかにとどめるのがコツ。格段に効果が違います。ぜひおためしを! ※参考書籍 「nico 2010.5 クインテッセンス出版株式会社」 |
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Q35 | フライパンのフッ素樹脂加工と歯磨き粉のフッ素は同じものですか? |
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A35 | フッ化物は2種類に分けられます。 フッ素のマイナスイオンと別のプラスイオンが結合すると、フッ化ナトリウムなどの無機フッ素化合物になり、フッ素と炭素の結合を含むものは有機フッ素化合物となります。 フライパンの表面などに施されているフッ素樹脂加工(テフロン加工)は、フッ素と炭素が結合した有機フッ素化合物を応用したもので、むし歯予防に用いるフッ化物とはまったく別のものです。 フッ素は人体に約2.5mg存在し、カルシウムと結合しやすい特徴があるため、歯や骨に多く存在します。とくに小児は骨や歯の成長過程でフッ化物が必要となるため、フッ化物が不足すると身体の成長に悪影響を及ぼします。 食品から摂取したフッ化物は吸収されにくく、とくにカルシウムやマグネシウムを多く含むものは吸収率が低くなります。しかし、飲料水として摂取したフッ化物は吸収率が高く、空腹時に水に溶けた状態で摂取すると、最も吸収率が高まります。吸収されなかったフッ化物は糞便として排泄されます。 |
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Q36 | 歯磨剤の成分にはどんなものがあるの? |
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A36 |
歯磨剤の基本成分と作用1.清掃剤歯の表面を傷つけずに汚れを落とす 2.湿潤剤適度な湿り気を与える 3.発泡剤口中に歯磨剤を拡散させ汚れの除去を助ける 4.薬用成分薬理的、生化学的な効果を与える 5.粘結剤粉体と液体成分との分離を防ぎ、適度な粘性を与える 6.香味剤香味の調和をはかる 7.保存料変質を防ぐ 清掃剤の効果歯磨剤を用いると、歯ブラシだけよりも清掃効果が著しく高くなります。これは歯磨剤に物理的に汚れを除去する清掃剤が含まれているために清掃効果が高められるからです。 練り歯磨き剤の一般的な組成研磨剤(10~60%)リン酸水素カルシウム 湿潤剤(10~70%)グリセリン 水その他(0~10%)防腐剤 |
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Q37 | デンタルフロスを使う必要があるの? |
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A37 |
歯ブラシは歯の面が磨けますが、歯と歯の間は磨けません。 糸ようじでいいのでは?という声もありますが、器具が大きいため奥まで入らず奥歯のケアができません。フロスでも奥歯のケアは難しいですが、当医院スタッフが指導しますので、お気軽に声をかけてくださいね。 |
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Q38 | 電動歯ブラシを使うときに気をつけるとよいことってありますか? |
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A38 | 基本的に、歯に当てたら動かさなくてOK。動かすときはごくゆっくりとずらしていきます。 |
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Q39 | フッ化物歯面塗布ってなんですか? |
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A39 |
比較的高濃度のフッ化物溶液やゲル(ジェル)を歯面に塗布する方法です。歯ブラシ法、綿球法、トレー法などがあります。 フッ化物歯面塗布の特徴1.乳歯および永久歯のどちらにも効果的です。 2.歯ブラシ法の場合、歯磨きと同じ要領で塗布できるので、子どもたちにも受け入れられやすい方法です。 3.塗布の時間は、1~4分程度です。(歯数によって異なります) 4.低年齢児や、うがいのできない人に対するフッ化物応用として有用です。 5.生え始めの歯には特に効果的です。歯が萌出してきたら実施しましょう。 6.3~4ヶ月ごとの塗布が効果的です。 7.継続して行うことで効果を高めることができます。 8.フッ化物洗口やフッ化物配合歯磨剤など、他の局所応用と組み合わせることでさらに効果が高まります。 9.使用量についての注意が必要なため、歯科医師や歯科衛生士など歯科専門職が行う方法です。 10.地域保健の場面では、1歳6ヶ月児および3歳児健診や、その他の乳幼児健診の機会を利用して行われることも多く、より多くの子どもたちに応用されています。 ※参考書籍 |
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Q40 | フッ化物洗口ってなんですか? |
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A40 |
フッ化物水溶液を用いてブクブクうがいを行い、歯面にフッ化物を作用させて、むし歯を予防する方法です。 フッ化物洗口の特徴1.1分間のブクブクうがいで効果を発揮します。 2.4歳からの実施により永久歯で50~60%のむし歯予防効果があり、特に前歯のむし歯はほとんどみられなくなります。 3.歯ブラシの届かない奥歯の溝の部分や、歯と歯の間にもフッ化物が届き、むし歯に対して抵抗性のある歯を育てます。 4.少し溶け始めた歯の表面をもとに戻してくれます。(再石灰化を強く促進します) 5.フッ化物濃度は低く、使用量も少ないため、安全性の高い方法です。 6.安い費用で実施できます。 7.毎日1回(あるいは週5回)行う方法と、週1回行う方法があります。 8.家庭で個人的に行う方法と、園や学校で集団で一緒に行う方法があります。 9.永久歯の萌出時期(4~15歳頃)に継続して行うと効果的です。 10.成人の歯と歯の間(隣接面)にできるむし歯の予防、高齢者の根面にできるむし歯の予防にも効果的です。 11.定期的なフッ化物歯面塗布や家庭でのフッ化物配合歯磨剤とも併用できます。 12.シーラント(奥歯の溝をシールする)と組み合わせると、効果的です。 ※参考書籍 |
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