アレルギー
Q21 | レジンアレルギーがあるようですが、歯科用インプラント治療を受けても大丈夫でしょうか? |
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A21 |
チタン(Ti)やバナジウム(V)など、インプラント本体に使用される金属のアレルギーがなければ、インプラント自体は安全と考えられますが、上部構造体を装着する際に、レジン系のセメントを使用する可能性がありますので、レジン系材料のアレルギー検査は事前に受けておく必要があると思われます。
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Q22 | レジンアレルギーは本当にあるのでしょうか? |
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A22 |
はい、あります。 金属アレルギーより症例は少ないですが、レジンアレルギーの患者さんはいます。歯科治療のレジンだけではなく、ジェルネイルやUVレジンの手芸用品で感作されている患者さんもいますので、問診で見出すことが重要です。
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Q23 | アレルギーが生じやすいレジンのタイプはあるのでしょうか? |
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A23 |
残念ながら現在は特定されておりません。 患者さんごとにアレルゲンが異なるので、一人ひとり確認する必要があります。ただし、未重合モノマーはアレルギーの報告も多くあるので注意が必要です。新たな感作を生まないためにも、未重合モノマーを極力少なくする配慮を普段の診療から心がけるとよいでしょう。
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Q24 | セラミックスアレルギーはあるのでしょうか? |
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A24 |
セラミックスは非常に安定している材料なので、アレルギーを生じることはないと考えられています。しかしながら、セラミックスを装着する際に使用するレジンセメントに対してアレルギーが生じる場合があるので、セラミックス治療の際にもアレルギーに留意する必要はあります。
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Q25 | 大臼歯にセラミックスを使用してもよいのでしょうか? |
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A25 |
咬合関係、咬合力、対合歯とのクリアランス量など、金属アレルギーとは別の歯科補綴的問題も考慮されるべき課題であると考えますが、大臼歯でもセラミックスは使用可能です。 咬合圧に耐え得る二ケイ酸リチウムガラスセラミックスや、高透光性ジルコニアセラミックスの開発・臨床導入により、前歯部などの審美領域だけではなく、臼歯部での適応範囲は広がっています。
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Q26 | まだ検査はしておりませんが、問診で金属アレルギーの体質を皮膚科の先生に指摘され、口の中のアマルガムを外すように言われました。どうすればよいのですか? |
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A26 |
アマルガムは除去時に水銀(Hg)による環境汚染の配慮が必要となります。 アマルガムに限らず、口腔内の金属を外すときは、事前に必ずパッチテストや口腔内金属成分分析検査を行い、アレルゲンの種類と所在場所をきちんと特定した上で、実施することが望ましいと考えられます。 たまたま口腔内の金属が外れて、新たに再治療が必要となった場合には、金属を含まない歯科材料を選択して治療を受けるとよいでしょう。
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Q27 | ラテックスアレルギーと言われました。どのような点に気をつけて治療するのですか? |
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A27 |
直接患者さんに触れる歯科医師などの術者は、必ずノンラテックスグローブを使用する必要があります。ラバーダムシートもノンラテックスのものを用意しなければなりません。また、重度のラテックスアレルギーと診断された患者さんの場合、直接肌に触れていなくても、空気中に飛散するアレルゲンでも症状が出ることがあるので、院内スタッフのラテックスグローブの使用にも注意が必要です。特にパウダー付きグローブの場合、アレルゲンが飛散しやすいので注意が必要です。
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Q28 | ラテックスアレルギーの検査は、どこでできるのでしょうか? |
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A28 |
一部の皮膚科またはアレルギー科で検査が可能です。事前に検査可能か問い合わせたほうがよいでしょう。
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Q29 | ラテックスグローブで湿疹が出る場合は、ラテックスアレルギーなのでしょうか? |
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A29 |
違う場合もあります。 皮膚のバリア機能低下による湿疹の場合もありますので、検査をしないとわかりません。
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Q30 | 歯医者さんで注射をするとクラクラと気分が悪くなります。麻酔のアレルギーじゃないかととても心配です。 |
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A30 |
麻酔が必要なとき、アレルギーを心配するかたはよくおられます。 麻酔アレルギーには2タイプあります。 一方、ショック症状を起こし命にかかわるほど激しいアレルギー(アナフィラキシー)も、きわめて少数ですがないわけではありません。数十万件に1件ともいわれていますが、とある歯科大学病院の年間20万人の患者さん(あらゆる症例のかたがいる)で数年に1人いるかどうか、というほどたいへんまれです。 具体的な調査結果があるわけではないのでエビデンスはないのですが、「麻酔の注射のときにアレルギーで気分が悪くなった」と心配なさる患者さんの相当数は、緊張のあまり血圧が急上昇したり、脳貧血、過喚起発作などとアレルギーを混同なさっているのではないかと思われます。 ※参考書籍 |
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