Question
咬合の不調和が脳、筋、顎関節、顔貌、そして全身へ影響を及ぼすって本当ですか?
Answer
本当です。
日本における認知症の患者数は年々増加しています。臼歯部で噛み合わせがなくなると、アルツハイマー病の原因となる異常タンパク質の“アミロイドβ”を脳内に大量増加させることが分かっていて、噛み合わせの治療によりアルツハイマー病の有効な治療となる可能性があります。
また、臼歯を抜歯したマウスは抜歯していないマウスに比べて学習・記憶能力が低下することも実験で確認されています。
そして、顎口腔系と全身の筋膜連鎖の関係は、姿勢維持だけでなく、運動機能の向上にまで関係します。スプリントにより咬合の不調和を改善すると、姿勢や顔貌の改善のみならず重心のバランスがとれ、筋力がアップすることが分かっています。咬合の不調和は、顎関節、筋、脳だけでなく全身へも大きな影響を及ぼします。
※参考書籍
「日本歯科大学学内校友会 NEWS LETTER No.12 2015年6月30日発行」
「咬合とアミロイドβの関連性」
江國大輔、友藤 孝明、東 哲司、遠藤 康正、森田 学(岡山大学)
米神経科学誌 Neuro Molecular Medicine, 2011, 9.