Question
取り外し式の矯正装置について教えて下さい。
Answer
可徹式矯正装置とは、「自分自身で取り外し可能な矯正装置」のことです。
種類
狭義では口腔内に装着される装置(顎内装置 intraoral appliances)のみを指しますが、広義には次のようなものがあります。
1.アクティブプレート(床矯正装置)
1歯または2歯を移動するためにスプリングまたはスクリューをつけた床装置
前方拡大床装置、側方拡大床装置、スペースリゲーナ
2.機能的装置
アクチベータ
咬合挙上板
咬合斜面板
切歯斜面板
バイオネーター
Fränkel装置
ツインブロックス
リップバンパー
3.顎外装置
ヘッドギア装置(顎外固定装置)
上顎前方牽引装置
チンカップ装置
長所
1.アーチワイヤーなど鋭利な突起部がほとんどないので、固定式装置と比べて安全です。
2.装置使用中に痛みなどの問題が発生しても患者さん自身が装置を取り外し、応急対応することで問題を軽減または解決できます。
3.大事な会合などで装置が見えないようにしたいときに、患者さん自身が装置を一時的に外すことができます。
4.装置の調節に要する治療時間(チェアタイム)が、固定式矯正装置に比べて短くなります。
5.矯正力による組織の障害のリスクが低くなります。
6.固定式矯正装置と比べて、口腔内を清潔に保ちやすくなります。
短所
1.口蓋が浅い場合や臨床歯冠高が短い歯、脱落の時期が近い乳歯を鉤歯にすると、装置の安定が得られにくくなります。その結果、矯正力が有効に歯に伝えられにくく、また固定を歯に求める場合には、固定の喪失(アンカレッジロス anchorage loss)が起こりやすくなります。
2.基本的には歯の傾斜移動しか期待できません。
3.効果は装置の使用時間に大きく依存しますので、患者さんの理解と協力が不可欠となります。
4.容易に取り外れるために紛失するリスクがあります。例えば、レストランで食事前に外したときにティッシュペーパーに包んでおいたところテーブルに置き忘れてしまった、愛犬がくわえて行ってしまったなどの事例があります。
※参考書籍
「Elements of Orthodontics 高田の歯科矯正の学び方-わかる理論・治す技術-」
高田 健治 編著 株式会社メデジットコーポレーション