Question
歯ぎしりを止めるにはどうしたらよいですか?
Answer
歯ぎしり・食いしばりの原因として、「夜間低血糖」があります。これは、糖質が少なくて血糖値が下がることや、糖尿病の薬が効きすぎて血糖値が下がるのとは異なります。
例えば、就寝前に糖質の多い食事を摂ると、食後に上がった血糖値が睡眠中に一気に下がります。それを回復させようとしてアドレナリンなどのホルモンが分泌され、また一気に血糖値が上がり、血糖値の乱高下が起こるのです。これがストレスになり、交感神経が優位になるため、歯ぎしり・食いしばりの原因になることがあります1)。
この交感神経は、胃酸の分泌にも関与しており、逆流性食道炎の患者さんにも歯ぎしり・食いしばりの症状が出ることがあります2)。
栄養管理面のチェックポイント
- リラックス効果を期待してマグネシウムの多い食材を摂取する(ナッツ類、ココア、大豆類、あおさ、わかめなど)
- ビタミンB1の多い食材を摂取する(豚肉、魚、にんにく、玉ねぎ、豆類など)
- ビタミンB6の多い食材を摂取する(レバー、鶏肉、カツオ、バナナ、にんにくなど)
- とくに就寝前の糖質を控える(白米、パン、お菓子など)
- 寝酒のリスク(眠りの質が悪くなることなど)
- カフェインの多い物を控える(コーヒー、緑茶、エナジードリンクなど)
- タバコを控える
就寝前のチェックポイント
1.「くちびるを閉じて、歯は離す」と20回ほど声に出して唱えます。(自己暗示療法)
2.全身を脱力させ、1日で溜まったストレスがなくなり、翌朝頸の周りが涼しい状態で目覚める自分をイメージします。(自己暗示療法)
3.高い枕は噛みしめやすくなるのでなるべく避けましょう。
4.歯科医院で作ったマウスピースを装着して就寝します。
1)森永宏喜:歯科からはじめるアンチエイジング栄養学. デンタルダイヤモンド社, 東京, 2019.
2)薗田 勝:栄養科学イラストレイテッド 生化学編. 羊土社, 東京, 2017.
※参考書籍
「nico 2009.11 クインテッセンス出版株式会社」
「歯科でできる実践栄養指導」
監修 山本義徳、著 山本典子 デンタルダイヤモンド社