Question
口臭撃退法を教えてください。
Answer
1.歯周病の治療をしましょう。
歯ぐきがムズムズしても「痛くないから」と放置していませんか?これ以上歯周ポケットのなかで歯周病菌を培養し続けるのは止めましょう。
歯周病が進行するとお口からはタンパク質が分解される腐食臭(病的口臭)が漂いはじめます。
お口だけでなく全身の健康のためにも由々しき事態です。
2.半年に一度歯石を取りましょう。
歯周病ではないかたも、定期的に歯石取りを受けましょう。
歯石やプラークは知らないうちに歯周炎の原因になってしまいます。
ご自分ではにおいに気付きにくいからこそ、ふだんのケアが大切。「備えあれば憂いなし」です。
3.半年に一度クリーニングを受けましょう。
PTC、あるいはPMTCと呼ばれるプロのワザで、歯面や歯間についてプラークを徹底的に取り除きましょう。
汚れを取るだけでなく、歯面をツルツルに仕上げてプラークが付きにくくするプロフェッショナルケアです。
歯石取りとセットで受けると、一層効果が上がります。
4.1日3回歯みがきをしよう。
口臭を減らすには、短い時間で何度も歯みがきをすると効果的だということがわかっています。
1日3回、どんなに忙しくても最低1分半以上の歯みがきをし、必ずフロスもするようにします。それから、歯みがき剤のミントの清涼感にごまかされないように。ミントの香りは一瞬だけ。口臭予防には効果はありません。
歯みがきで効果的にプラークを取り除きましょう。
5.舌の掃除を習慣にしましょう。
口臭ケア法として、舌のブラッシングが効果大です。口臭物質が発生しやすく、口臭の60%は舌苔から出ています。
舌の表面にはたくさんの小さな突起があり、そこに細菌や、細菌のエサになるタンパク質が漂着してクリーム色の舌苔として溜まっていくからです。そこで、細菌を減らして口臭ガスの発生を抑えるために、舌のブラッシングを毎日のケアのなかに取り入れてください。
舌は軟らかく傷つきやすいので、ゴシゴシこすらないようにしましょう。
6.フロスも毎日使いましょう。
歯ブラシは、歯面の掃除にはすぐれた力を発揮しますが、歯間の掃除はいたって苦手です。そこで、毎日フロスを使って歯間に溜まったプラークを取り除きましょう。
生活全体は欧米化した日本ですが、フロスの使用率は依然低く、歯ブラシ1本だけに頼る従来型のセルフケアがなかなかあらたまりません。
フロスを使うと、セルフケアの質が格段によくなります。ぜひお使いください。
7.しっかり噛んで朝ご飯を食べましょう。
なるべく固形物をよく噛んで食べます。噛み砕かれた食べ物が舌を擦って舌苔をかき取ってくれるからです。また唾液がたっぷり出ると自浄作用でお口のなかがきれいになります。
リンゴや漬物など、歯ごたえのある食べ物ほど効果が高くおすすめ。忙しくても、朝ご飯をしっかり食べましょう。
8.職場の午後はおやつでリフレッシュ。
長時間仕事に向かっていると、緊張で唾液の分泌が減り口臭も強くなりがち。そこで午後におやつタイムを設けましょう。甘いものはお口のなかを酸性にし、口臭物質を中和します。
ただしダラダラ食べはむし歯の原因になるので、パクッと食べ、お茶を飲んでおくといいでしょう。
9.酵素配合の口中ケア・タブレットも!
舌苔に着目したシュガーレスのタブレットがあります。キウイ由来のタンパク質分解酵素が配合されています。
酵素は舌のケアの役に立ち、たとえば納豆のなかの納豆菌のタンパク質分解酵素やビール酵母なども効果があります。
10.お口が渇きやすいかたにガムが効果あり。
お口の渇きやすいかたにシュガーレスガムがおすすめ。
唾液が出て口臭がグッと和らぎます。ところで、唾液が充分出る健康なお口のかたの場合はむしろ口臭が少々増えることが実験でわかりました。どうやらガムは舌の表面をかき混ぜ、口臭物質を揮発させて、食事をしたときほど舌苔をかき取ってはくれないようです。
でもストレスでお口の渇きやすい忙しい現代人には必需品。プラークの多糖を分解するデキストラナーゼ酵素を配合したガムなどもあります。
11.塩化亜鉛配合のうがい薬が口臭物質を中和。
てきめんに効くのが塩化亜鉛入りのうがい薬です。塩化亜鉛が口臭物質を中和し揮発を抑えます。
スプレー式のものもあり、出先などで、短時間確実に口臭をなくしたいときに便利です。
ただ、口臭の(ことに病的口臭の)原因を根本的に取り除くことはできないので、治療や予防は別途きちんとする必要があります。
※参考書籍 「nico 2010.11 クインテッセンス出版株式会社」