Question
レーザー治療のデメリットや限界って?
Answer
レーザー治療は、従来の治療法にくらべさまざまなメリットがありますが、使用されているレーザーは種類もさまざまで認められている使用範囲や効果・効能にはおのずと制限や限界もあります。治療を受ける際には歯科医師からしっかりと説明を受けておきましょう!
1.ほとんどの場合自費治療になります。
小さなむし歯などで健康保険の診療が認められる場合(Er:YAGレーザーでの小さなむし歯除去と、歯ぐきを切開して行う歯周病の治療の歯石除去)もありますが、レーザーを使う治療のほとんどは、自費治療になります。それほど高額にはならず、たいへんメリットが大きい治療法ですので、ぜひお気軽にお尋ねください。
2.従来の治療より時間がかかります。
光線の照射で粘膜を蒸散させたり、切開したり、歯を削ったりするため、メスやドリルを使う従来の治療にくらべて治療に時間がかかります。大きなむし歯の穴を削って掃除するには、レーザーだけでなく麻酔注射やドリルを併用するほうが向いている場合もあります。
3.歯を精緻に削るのが少し苦手です。
水分に吸収された光が熱エネルギーに変化し、微細な爆発をする力で歯を削るため、歯を精緻に削るのが少し苦手です。そのため、被せ物や詰め物をピタリとはめるために歯を形成する仕事には不向きで、小さなむし歯をレジンで詰めるときなどによく使われます。
4.重度の歯周病では歯ぐきの切開が必要。
重度の歯周病を治すには、レーザーを歯周ポケットに差し入れて照射するだけでは不十分な場合があります。歯根の分岐部など、歯周ポケットのさらに奥へのレーザーの到達度や除菌効果に限界があるからです。その際にはレーザーで歯ぐきを切開して、歯周ポケットの奥深くに隠れたプラークや歯石、汚れた根面を掃除し、ただれた粘膜をきれいに除去して治療をします。
5.麻酔を併用する場合もあります。
小さなむし歯を削ったり、中等度程度の歯周病や、歯ぐきのメラニン色素の除去などの治療の際には、通常麻酔を使わずに治療ができますが、歯ぐきの切開など大きな治療をする場合は、麻酔を併用して行います。ただし、レーザーの鎮痛効果のおかげで麻酔の使用量を通常より減らすことができ、また術後の痛みも少なくできます。
6.レーザーの種類はいろいろ。治療には向き不向きが。
レーザー治療の機器はたいへん高価なので、1医院がいろんなタイプのレーザーをそろえるというわけにはなかなかいきません。歯科医師は、治療方針や得意分野に合ったレーザー機器を導入しています。患者さんのご希望の治療に医院のレーザーがたまたま適していない場合もあるかもしれません。レーザー治療をご希望の際には、まず歯科医院にご相談ください。
鎮痛、止血、消炎、賦活効果と、メリットの多いレーザー治療。ただし万能というわけではないことは知っておきましょう。
※参考書籍 「nico 2014.11 クインテッセンス出版株式会社」