Question
どのようなことに注意して糖尿病患者を治療していますか。
Answer
1.
経口血糖降下薬やインスリンを使用している場合は低血糖が起こらないように食事時の診察を避ける必要があります。
2.
特に低血糖を起こしやすい場合は一回の治療時間が長くならないように配慮しています。
3.
糖尿病患者は歯を抜いたときや外科処置をした時に治癒が遅くなります。
そのため、歯を抜くような場合や外科処置をする場合は糖尿病の状態を確認します。
(血糖コントロールの指標は明確ではありませんが、比較的悪影響の少ない歯周外科治療では術前HbA1c(NGSP)7.0%未満を参考としております。)
4.
健康者では抜歯の後に抗生物質を服用する必要がないこともありますが、 糖尿病患者では免疫の機能が低下し、病気を引き起こす細菌やウイルスなどの病原菌に感染しやすくなっているため、 抗生物質を服用して感染を予防する必要があります。
5.
アドレナリン含有の歯科局所麻酔薬を使用すると一過性に血糖値が上昇します。
健康者と同様に糖尿病患者でもそのように考えられていますが、安全性については完全には実証されていません。
しかし、内科的に良好な血糖コントロールをされている糖尿病患者では概ね安全に使用する事ができると言われています。
なお、未治療あるいはコントロール不良の糖尿病患者については、まず内科への血糖コントロール依頼を推奨します。
これらの患者様の治療で局所麻酔を避けられない場合にはアドレナリン非含有(フェリプレシン含有)の歯科局所麻酔薬の使用を考慮する必要もあります。