Question
インプラント周囲炎について教えてください。
Answer
インプラント周囲炎とは、インプラント埋入後にインプラント周囲組織に炎症が起こり、歯肉の炎症や歯槽骨の吸収が起きる疾患です。
CT撮影によって、インプラント周囲にインプラント体に沿った骨吸収を確認できます。
また、慢性化すると骨吸収周囲に骨硬化様像が著しく見られます。
リスク因子
- 口腔清掃不良
- メインテナンスの欠如
- 喫煙
- 糖尿病
- 歯周炎の既往
- 歯周炎の存在
- セメントの滲出
- 上部構造の形態と設計
- インプラント体の破折
- インプラント―アバットメント接合部
※アバットメント…インプラントの上に入れる土台 - 角化粘膜の不足(ポケット2mmの場合は4mm以上)
- 粘膜貫通部の厚さ
インプラント周囲疾患の検査
- 診断基準
・プロービング 6mm以上
・BOP +
・排膿 +
・骨吸収 3mm以上 - 視診
- 触診
- プラークコントロールの評価
- プロービング
・深さ
・BOP
・排膿 - X-ray
- 咬合診査
- 軟組織の診査
・角化粘膜幅
・粘膜退縮量
・粘膜可動性 - 残存歯の歯周病検査
・プロービング、深さ、BOP、動揺度、プラークコントロール、X-ray - アバットメント除去時の診査
・貫通部粘膜
・粘膜貫通部上部構造
・アバットメント
・アバットメントスクリュー
・インプラント体プラットホーム
治療方法
保存が困難であることから抜去の対象となります。
一般にインプラント頸部周囲の炎症症状ならびに骨吸収がある場合は積極的な処置を行います。
骨吸収があれば、インプラント周囲軟組織の掻爬(そうは)と再生療法を行う必要があります。
※参考書籍
「画像診断に学ぶ難易度別口腔インプラント治療」
編集 金田 隆
著者 阿部 伸一、金田 隆、矢島 安朝、加藤 仁夫、月岡 庸之
永末書店
「3-stepと3-zoneで対応するサポーティブ・インプラント・セラピー」
申 基喆 監、林 丈一朗 編著
株式会社ヒョーロン・パブリッシャーズ