Question

交通事故で歯が抜け落ちてしまいましたが、そんな歯でも再植ができると聞きました。脱落後、どのくらいの時間までなら再植できますか?

Answer

再植の成功は、主に再植歯に付着している歯根膜の生死に依存しています。よって、再植歯の歯根膜を生きたまま口腔外で保存することが大切になります。歯根膜はpHや浸透圧の変化に弱いものです。乾燥状態で18分間放置されても大半の歯根膜が生存しているのに対し、30分では半分以上、120分では大半が死滅するというデータもあります。一方、生理食塩水中では、歯根膜は120分でも大半が生存可能ですが、水道水中では120分で大半が死滅するということも分かっています。牛乳や近年開発された保存液に浸しておけば、長時間(数時間から24時間)歯根膜を生存させておくことが可能です。とはいっても、生理食塩水中でも時間の経過とともに歯根膜細胞の壊死を誘発しますので、速やかに外科術式を完結させなければなりません。

※参考書籍 「シリーズ MIに基づく歯科臨床vol4 自家歯牙移植」
      月星光博 著  クインテッセンス出版株式会社

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