Question
骨吸収抑制薬(ARA)を投与しています。歯科治療をしてもよいですか?
Answer
低用量ARA
抜歯を行う際の休薬がMRONJ発症の予防に有効であるとする十分なエビデンスが現時点では得られていません。
高用量ARA
がんの骨転移などで高用量ARAを投与中の患者さんは、慎重に抜歯の適否を判断し、まずは他に回避できる治療法があるか検討する必要があります。
しかし近年、がん骨転移の治療を受けている患者の抜歯がMRONJ発症のリスク因子であるとする一方で、根尖病変、重度歯周病、顎骨骨髄炎など顎骨に明らかな感染源が存在する場合は、それ自体がMRONJ発症リスクを引き上げているため抜歯を前向きに検討すべきであるという報告があります1)、2)。
1)Lerman MA, Xie W, et al : Conservative management of bisphosphonate-related osteonecrosis of the jaws: staging and treatment outcomes. Oral Oncol 49:977- 983, 2013.
2)Hadaya D, Soundia A, et al : Nonsurgical management of medication-related osteonecrosis of the jaws using local wound care. J Oral Maxillofac Surg 76: 2332-2339, 2018.
※参考書籍
「薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023」
顎骨壊死検討委員会