Question
親知らずを抜くために歯科医院に行きました。写真を撮ると「神経に近接している」と言われました。抜歯中に神経を損傷させる可能性はどのくらいありますか?
Answer
下顎の親知らずが下歯槽神経管に近接する患者さんでは、外科的抜歯後の神経損傷の発生率は2%から17%であることが示されています1)。
また、神経損傷のリスクを低減するために、矯正的抜歯という新しい抜歯法が開発されました2)。矯正的抜歯は、2段階の抜歯法で、埋伏している親知らずを強制的に牽引して神経から遠ざけ、その後に外科的に抜去する方法です。
1)Long H, Zhou Y, Liao L, Pyakurel U, Wang Y, Lai W. Coronectomy vs. total removal for third molar extraction: a systematic review. J Dent Res 2012; 91(7): 659-665.
2)Checchi L, Alessandri Bonetti G, Pelliccioni GA. Removing high-risk impacted mandibular third molars: a surgical-orthodontic approach. J Am Dent Assoc 1996; 127(8): 1214-1217.
※参考書籍
「臨床家のための矯正YEARBOOK2022 成人の叢生を考える」
クインテッセンス出版株式会社