Question
口角炎になりました。何に気をつければよいでしょうか?
Answer
口角炎は唇の端に炎症が起き、ひび割れたり化膿したりして、出血や痛みを伴うことがあります。
歯科治療時には口を開けてもらう必要があるため、患者さんは苦痛を感じます。一般的には、義歯のクラスプ部分が当たって傷ついたり、さまざまな原因で咬合が深くなり口角にシワができたりすると、そこに常に唾液が溜まって細菌感染を起こします。
その他にも、口腔乾燥症(ドライマウス)やビタミン欠乏などが原因であるといわれています。
ある耳鼻咽喉科での口角炎の細菌検査(*)によると、日本人80人のうちStaphylococcus aureus(Sa菌:黄色ブドウ球菌)が48.8%、カンジダ属が26.3%検出されたという報告があり、口腔内の常在細菌により引き起こされている可能性が高いことがわかりました。
このことから、正しい口腔ケアと細菌感染に負けない免疫力をつけ、健康な粘膜や皮膚を保つことが大切です。
口角炎がなかなか治らない方は、下記注意点を参考にしてください。
口角炎が治らないときに気をつけること
- ビタミンB群などの他、亜鉛の多い食材(牡蠣、牛肉、卵、ココアなど)を摂取しましょう。
- 腸内細菌(善玉菌)のエサになる発酵食品(ヨーグルト、キムチ、納豆、味噌など)や食物繊維(キノコ類、海藻類、切り干し大根、芋類など)を摂取しましょう。
- 乳酸菌サプリメントを活用しましょう。
- 糖質の摂取を控えましょう。
*岸本麻子, 他:口角炎について. 耳鼻と臨床, 56(3): 101-110, 2010.
※参考書籍
「歯科でできる実践栄養指導」
監修 山本義徳、著 山本典子 デンタルダイヤモンド社