Question
根っこの処置が終わり、土台の補強をすることになりました。前は型を採って作ったのですが、今回は直接口腔内で作りました。同じグラスファイバーを使った土台ですが、どういう違いがあるのでしょうか?
Answer
支台築造における直接法と間接法の比較(*)という論文データがありますので、紹介します。
*小林 平:ファイバーポストを用いた直接レジン支台築造の有用性. 辻本恭久編著:日本歯科評論増刊/最新マテリアル・ツールを活用した臨床テクニック, 114-119, 東京, 2021.
直説法
利点
- 歯質の削除量が少ない
- アンダーカットが許容される
- 治療ステップがシンプルである
- 根管象牙質の汚染の危険性が少ない
欠点
- 診療時間が長い
- レジンの重合収縮が大きい
- 防湿、形態付与が困難である
- 操作が困難で術者間の差が大きい
間接法
利点
- 多数歯でも対応が容易
- 適合の良い支台装置が製作できる
- 唾液や滲出液の影響を受けにくい
- 適切な支台歯形態の付与が容易である
欠点
- 来院回数が多い
- 健全歯質の削除量が多い
- 技工操作が必要で、製作過程が複雑である
- 根管の汚染の可能性や仮着材の影響がある
※参考書籍
「樋状根とRadix Entomolarisへの対応」
辻本 恭久 編著 株式会社ヒョーロン・パブリッシャーズ