Question

口腔白板症について教えてください。

Answer

口腔白板症とは

口腔白板症とは、一般的には「口腔粘膜の真っ白な病変で、臨床的および組織学的に他の白色病変とは異なるもの」と定義づけられています1)。そのほか、「口腔粘膜上の真っ白なパッチあるいはプラークで、それを拭い取ることができず、臨床的あるいは組織的に他のどんな疾患とも性格づけることができないもの」と定義づけられています2)、3)

そして口腔白板症は、紅板症や粘膜下線維腫を含むいくつかの潜在的悪性口腔疾患の1つと考えられています。つまり、口腔粘膜の白色角質病変のすべてが口腔白板症なのではなく、口腔粘膜に生じる白色病変の大多数は良性の摩擦性角化症、あるいは炎症状態からの角化症、たとえば口腔扁平苔癬などです4)

 

口腔白板症の治療

現在行われている治療法は、原因要素の除去、薬物療法、外科手術、レーザーによる摩滅などですが、いずれもそれによって口腔白板症の全てを治癒させることはできません5)

粘膜上の白色のパッチあるいはプラークの30%ほどまでは、原因要素の除去や、抗菌剤の抗炎症剤の投与といった薬物療法で明らかに軽減します。また60%ほどまでは、喫煙を止めると著しく軽減または消退します6)

 

1) Axell, T. et al.: Oral white lesions with special reference to precancerous and tobacco – related lesions: conclusion of an international symposium held in Uppsala, Sweden, May 18-21 1994. International Collaborative Group on Oral White Lesions. J. Oral Pathol. Med., 25: 49-54, 1996

2) Society of Oral Medicine, Chinese Stomatological Association: The definition and rating system of oral leukoplakia (interim provisions) Zbonghua Kou Qiang Yi Xue Za Zhi, 46: 579 -580, 2011

3) Barnes, L.: Pathology and Genetics of Head and Neck Tumours. IARC Pres s, Lyon, 2007

4) Villa, A. and Woo, S.B.: Leukoplakia – A diagnostic and management algorithm J. Oral Maxillofac. Surg., 75: 723-734, 2017

5) Chen.Q. et al.: Management of oral leukoplakia: a position paper of the Society of Oral Medicine. Chinese Stomatological Association. OS. OM. OP. OR., 132: 32 – 43, 2021

6) Scully, C.: Oral and maxillofacial medicine. Wright, Edinburg, 2004, P.299

 

※参考書籍
 「ORAL MEDICINEの臨床」 飯塚 哲夫 著  株式会社ストマ

お探しの情報は何ですか?

関連記事

このページを見た人は以下のページも見ています