Question
部分入れ歯のインプラントオーバーデンチャーのメリット・デメリットについて教えてください。
Answer
インプラントオーバーデンチャーとは
無歯顎の下顎にインプラントを埋入しオーバーデンチャーとする治療をインプラントオーバーデンチャー(IOD)といいます。
部分欠損の場合に、部分入れ歯の義歯床下にインプラントを埋入し、入れ歯の支持や維持の増強に利用する方法は、IARPDと呼ばれます1)。
IARPDのメリット(部分入れ歯との比較)
- 入れ歯の挙動が少なくなり、違和感の軽減と残存歯の保護ができる
- 義歯床を小さくできる
- 臼歯部咬合支持が強固になり、よく噛める
- 入れ歯が最も安定する位置にインプラントを埋入することで、支持や維持を追加できる
IARPDのデメリット(部分入れ歯との比較)
- 治療費が高くなる
- 外科的侵襲が必要
- 治療期間が長くなる
IARPDのメリット(固定式インプラントとの比較)
- 少ない本数で済み、コストや外科的侵襲を低減できる
- インプラント治療の適応範囲が増える
- 軟組織の形態回復が義歯床でできる
- 過去に埋入したインプラントを再活用できる
IARPDのデメリット(固定式インプラントとの比較)
- 可撤式であることに抵抗を感じる患者が多い
- 臼歯部の咬合支持や咀嚼機能、快適性は固定式インプラント補綴にはかなわない
- インプラント周囲のプラークコントロールが固定式に比べて難しい
1) 亀田行雄(監著):インプラントパーシャルデンチャーIARPDの臨床. デンタルダイヤモンド社, 東京, 2015.
※参考書籍
「DENTAL DIAMOND 増刊号 vol.47 No.704 パーシャルデンチャーのLEVELUPトレーニング」
亀田行雄、前畑 香 株式会社デンタルダイヤモンド社