Question
インプラント治療後、肝炎を発症しました。影響ありますか?
Answer
ウイルスに感染して急性肝炎を発症した場合、食欲不振や悪心・嘔吐の症状が出る可能性があるため、口腔清掃が不十分になります。
悪心・嘔吐によりブラッシングが困難となることに加え、治療は安静と肝庇護剤の点滴や栄養補給であるため多くは入院加療となることから、入院中は院内の歯科にブラッシングを含めた口腔管理を依頼するのが一番よいと考えられます。劇症肝炎にまで進行した場合は、もちろん入院加療が必要となりますが、急性の重篤疾患ですので、安定するまでは歯科のアプローチは困難となります。回復してから口腔の再評価を行い、その評価を基に口腔管理を行わなければなりません。
一般的に、B型急性肝炎は慢性化せずに治癒しますが、C型肝炎は大部分が慢性肝炎に移行します。治癒すればもちろん問題はなく、慢性肝炎になったとしても埋入されたインプラントに対して何か特別な対応を直ちに行う必要はありません。これまでどおり毎日のブラッシングと、インプラント治療を受けた歯科医院での定期的な診察を受けるようにしてください。
※参考書籍
「65歳以上の患者へのインプラント治療・管理ガイド」
編著 窪木拓男、菊谷 武 株式会社ヒョーロン・パブリッシャーズ