Question
下顎前突(下の前歯が上の前歯より噛んだときに前に出ている・しゃくれ)の場合、どうしたらいいですか?
Answer
下顎前突は乳歯列期からの早期の治療開始が必要です。
4~5歳で治療開始
下顎前突は直接的に顔の成長に悪影響を及ぼします。そのため、治療が理解できる年齢である4~5歳で治療を開始し、第一次成長期終了の6歳までに治すのが最善です。前歯の交換前であれば、機能性の問題を解決すればすむケースがほとんどです。前歯の交換により逆被蓋が改善することもありますが、早期に治療を行った方が顔の成長に悪影響を残しません。
7歳以降での治療開始
7歳頃に上下額の中切歯が萌出すると、機能の改善だけでなく、床矯正装置で歯列を改善する必要があります。上顎の成長を促すことで顔貌への影響をできるだけ残さないようにします。
10歳以降での治療開始
第二次成長期が始まる10歳以降は、機能と歯列だけでなく骨格性の問題が生じることが多く、難症例化します。上顎は10歳頃に成長のピークを迎えるため、劣成長を改善するのが難しく、前方に過成長してしまった下顎を後方に下げることは不可能です。
下顎の小臼歯を抜歯するカモフラージュ治療や、顔貌を改善するための外科矯正を示唆して治療を進める必要があります。
【参考】下顎前突の治療時期
※参考書籍
「臨床家のための床矯正治療」
著 花田真也 医歯薬出版株式会社