Question
放射線治療をすると歯頸部にう蝕ができるって本当ですか?
Answer
唾液の役割には再石灰化作用、浄化作用、酸緩衝作用、抗菌作用などがあります。このため、唾液の減少は、う蝕発症の重大な要因です。日本歯科保存学会『う蝕ガイドライン』でも「放射線性う蝕」に注目しています。
頭頸部を照射野にした放射線治療では、有害事象として唾液腺障害が起き、これにともない唾液分泌の低下が起きます。このため、放射線治療開始前から終了後も、計画的に口腔ケアを継続することが、多発性う蝕を防止する意味で非常に重要です。頭頸部放射線治療を受ける患者さんはすべて、う蝕ハイリスク者とみなしたほうがよいでしょう。
※参考書籍
「日本歯科医師会雑誌 2021 vol73 No.12」 日本歯科医師会