Question
OSASって何ですか?
Answer
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome : OSAS)は、睡眠中に呼吸が弱くなる、あるいは停止し、体内の酸素濃度が下がり、睡眠が障害されることにより、日中の眠気や頭痛、集中力の低下などの症状により生活の質(QOL)を低下させ、高血圧症や糖尿病、メタボリックシンドロームの発症に関与し、重症例では心血管障害や脳血管障害の危険因子となる全身性の疾患です。
要するに、寝ているときに息が止まり、いびきをかくことによって睡眠の質が悪くなり、昼間に眠くなったり、血圧が上がったり、心臓・血管に負担がかかる病気です。
OSAS患者は、長くて2分間息が止まっている方もおられ、そのときの経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は60%まで低下し、脈拍は200回近くまで上昇します。一度、2分間息を止めてみてください。かなり苦しく、心臓がドキドキするのを感じると思います。OSAS患者では、このような状態が寝ている間ずっと繰り返されます。多くの患者は寝ているため気づいていません。しかしながら、これだけ酸素が足りない状況が続くと、身体に負担がかかり、熟睡できるはずがありません。
このような理由から、OSAS患者は睡眠の質が低下し、昼間に強い眠気を感じます。例えるならば、毎日徹夜が続いているような状態です。
OSASの判定の仕方
1.AHI:止まった呼吸数で判定
AHI:1秒間に10秒以上呼吸が止まったり低呼吸になった回数
5未満 | ごく軽度 |
5~15 | 軽度 |
15~30 | 中度 |
30以上 | 重度 |
2.ODI:動脈血酸素飽和度(SpO2)で判定
ODI3:1時間でSpO2がその患者の平均から3%以上下降した回数
5未満 | ごく軽度 |
5~15 | 軽度 |
15~30 | 中度 |
30以上 | 重度 |
*呼吸が止まれば動脈血酸素飽和度は低下する
※参考書籍
「睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置治療」
阪井 丘芳 監修 医師薬出版株式会社
『実践!「効果のあがる」スプリント治療の進め方』
著 今井俊広・今井真弓 インターアクション株式会社