Question
OSASといわれましたが、何か問題ありますか?
Answer
OSAS患者では、無呼吸により低酸素、高炭酸ガス血症の状態になります。体内の酸素が少なくなり、それを補うように、心臓や血管など循環器が過剰に働き、負担が増えます。毎晩の積み重ねにより、高血圧症、動脈硬化症、心不全、不整脈などの合併症へつながり、それら合併症により血栓が詰まりやすくなるため、虚血性心疾患、脳血管障害など死につながるような重篤な合併症にかかる危険性も高くなります。
また、無呼吸により睡眠が障害されるため、ストレスや睡眠中に分泌されるホルモンバランスが崩れ、インスリン抵抗性が発現します。その結果、糖尿病、脂質異常症、肥満などの合併症へとつながります。最終的に、これら合併症により心血管障害の発症率・死亡率が高くなり、生命予後にも影響を及ぼすと報告されています。
OSASを治療するということは、患者のいびき・眠気を治療するだけではなく、合併症の治療・予防につながり、生命予後にも関わる治療といえます。
※参考書籍
「睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置治療」
阪井 丘芳 監修 医師薬出版株式会社