Question
ホワイトニング効果が出やすい歯と出にくい歯があるってホント?
Answer
ホワイトニング剤は歯の表面を覆っている「ペリクル」を一時的に除去して歯の中に入り込み、変色の原因物質を白くしていきますが、作用は大きく分けて2つあります。
1つ目は歯の有機質や無機質と変色の原因物質との結合を切り離すこと、2つ目は原因物質の分子を細かく切り、バラバラにすることで変色を目立ちにくくすることです。
暖色系と寒色系でくらべると、暖色系の変色歯のほうがホワイトニング効果は目立ちます。これは、変色の原因物質を脂肪量に例えてみると分かりやすいでしょう。
脂肪量が多い(変色原因物質の分子量が大きい)、太った人(暖色系の変色歯)は、少し痩せる(色が変わる)だけでもダイエット(ホワイトニング)効果が目立ちますが、脂肪量が少ない(変色原因物質の分子量が小さい)痩せている人(寒色系の変色歯)は、少し痩せても目立たないというわけです。
白くなりにくい歯の例
1)若い人の歯ほど白くなりやすく、ご高齢のかたの歯を真っ白にするのはむずかしいです。これは、長年唾液で鍛えられた歯のほうが硬く密で、薬剤が作用できる有機物が少ないからです。若い人の歯は有機物が多いので薬剤が作用しやすいのです。でも、ご高齢のかたの口元は、少し白くするだけでもグッと若々しく見えますよ。ぜひトライしてみてください。
2)エナメル質にボリュームがないところほど、効果が上がりにくいです。たとえば、エナメル質が薄い、歯と歯ぐきの境目付近などは、色調が改善しにくい場所です。
3)ホワイトニングによる色調改善には限界があり、色調が濃い場合、とくに黒や青の色調は改善しにくいです。真っ白にはできませんが、色を薄くすることはできるので、あきらめずにご相談ください。
※参考書籍
「歯科医院で患者さんにしっかり説明できる本」
クインテッセンス出版株式会社
「nico 2018.11 クインテッセンス出版」