Question
歯周再生療法の結果に影響を与える因子について教えてください。
Answer
大きく分けると、「①患者関連因子」、「②患歯関連因子」、「③使用材料」、「④外科手技と術者の技術」の4つの項目があります。
「①患者関連因子」は、患者さんの健康状態や生活習慣、年齢により影響される因子です。
下記のように、歯周再生療法に対する評価を行っています。
歯周再生療法の結果に影響を与える因子
因子 | 評価 | |||
---|---|---|---|---|
A | B | C | ||
①患者関連因子 patient related factors |
全身疾患の有無 | 健常者 | 軽度の糖尿病 | 中~重度糖尿病 外科治療禁忌の患者 |
プラークコントロール | PCR15%未満 | PCR15~30% | PCR30%以上 | |
喫煙習慣 | 非喫煙者 | 10本未満/日 | 10本以上/日 | |
年齢 | 40歳まで | 40~60歳 | 60歳~ | |
協力度 | 協力的 | 非協力的 | ||
②患歯関連因子 bone defect & tooth related factors |
骨欠損形態 | 3~2壁性、 カップ状 |
1壁性、クレーター状、 根分岐部病変Ⅱ度 |
根尖におよぶ骨欠損 根分岐部病変Ⅲ度 水平性骨欠損 |
骨欠損の位置 | 直視・直逹可能な部位 | 直視・直逹がやや困難 | 病変部の廓清が非常に困難な部位 | |
軟組織の状態 | thick-biotype、 角化歯肉が多い |
thin-biotype、 角化歯肉が少ない、 歯肉退縮 |
thin-biotype、 角化歯肉が少ない+小帯の高位付着、 口腔前提が狭小 |
|
咬合状態 | 動揺なく、安定している | 動揺はあるが、咬合調整・T-fixなどで コントロール可能 |
動揺のコントロールが困難な歯 | |
③使用材料 bio-materials |
EMD単独、EMD+骨移植、EMD+骨移植+膜、骨移植材の種類など | |||
④外科手技と術者の技術 surgical techniques & skills |
切開・乖離・デブライドメント・縫合の確実性、手技のスピードや繊細さ、など |
※参考書籍
「歯周再生療法を成功させるテクニックとストラテジー」
著 宮本 泰和、尾野 誠 クインテッセンス出版株式会社