Question
糖尿病には運動がいいと聞きます。本当ですか?
Answer
本当です。
様々な研究機関から報告がありますので、ご紹介します。
東京ガス研究
定期健診受診者の有酸素運動能力(体力)の変化と、糖尿病発症率について7年間観察しました。有酸素運動能力の変化を低下、やや低下、やや増加、増加の四つに分けて、糖尿病発症率を比較すると、1.0、0.64、0.40、0.33となりました。
このことから、運動不足(有酸素運動能力低下)は、日本人の2型糖尿病発症の危険因子と考えられます。
関西ヘルスケア研究
通勤時の片道歩行時間が10分以下を基準とし、21分以上の群では発症リスクが27%低下しました。通勤(歩行)時間は、2型糖尿病の発症に関して、他の要因と独立した効果を示しています。
日本糖尿病合併症研究
日本人の2型糖尿病患者さんを対象とした調査で、余暇時間の運動量に関して、「高運動量群」では、「低運動量群」に比べて、脳卒中発症と死亡率が明らかに低下していました。糖尿病患者さんでは、余暇時間の運動量が少ないと、脳卒中の起こる危険性が高まります。
このように、運動にはいろいろな効果があります。食後の運動実施は食事による血糖上昇を抑制し、血糖コントロール状態の改善が期待できます。一般的に週に150分以上実施するべきといわれています。なお、ヘモグロビンAlcレベルの低下は、運動量(頻度)の増加とは相関がありますが、運動強度とは相関がないことが判明しています。
※参考書籍
「月刊 糖尿病ライフさかえ 2020年7月号」 日本糖尿病協会