Question

糖尿病患者に対する歯周治療で、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)単独療法と比べ、抗菌療法(局所あるいは経口)の併用は有効ですか?

Answer

歯周炎を合併した糖尿病患者に対する歯周基本治療では抗菌療法の併用を考慮するべきです。とりわけ、糖尿病を合併した広汎型慢性歯周炎、あるいは重度の糖尿病関連性歯周炎やSRPで器具の到達が困難と判断される重度歯周炎症例に対しては推奨されます。

歯周病患者に対する抗菌療法のこれまでの研究報告をまとめると、通常の機械的プラークコントロールに反応が良好な全身的に健康な慢性歯周炎患者に対して、抗菌療法を併用した場合の付加的効果は、あまり期待できないというのがコンセンサスです。一方、通常の治療に対する反応が不良な治療抵抗性歯周炎患者や広範型重度歯周炎患者においては、抗菌療法の併用が有効と考えられています1)。さらに、血糖コントロール不良の糖尿病により、宿主の生体防御能が低下している易感染性の歯周炎患者や動脈硬化性疾患により血管内皮機能障害を有する歯周炎患者に対しては、歯周治療の反応性を向上させるとともに、全身および他臓器への悪影響を減少させる目的で、抗菌療法の併用が推奨されています1)

1)日本歯周病学会編. 歯周病患者における抗菌療法の指針. 2010.

※参考書籍
 「糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン 改訂第2版 2014」
 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 編  日本歯周病学会

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