Question
糖尿病の患者さんが歯周病の治療を受けると、検査値が改善されるって本当ですか?
Answer
本当です。
現在では、「糖尿病患者さんが歯周病の治療を受けると、ヘモグロビンA1cは0.4%~0.7%改善する」ことが明らかになっています(1)。例えば、ヘモグロビンA1c7.0%の日とは歯周病を治療すると6.3%まで低下する可能性があります。糖尿病の飲み薬でも、ヘモグロビンA1cを0.7%低下させることは、なかなか難しいことですから、歯周病の治療は糖尿病患者さんにとって素晴らしい福音となることでしょう。
18年6月、オランダのアムステルダムで開催された欧州歯周病学会にて、米国と欧州の歯周病学会は共同で19年ぶりに新しい歯周病の分類を発表しました。そして、この新分類の中に糖尿病患者さんの危険因子として、糖尿病が登場したのです。「ヘモグロビンA1c7.0%以上の場合は、歯周病が進行しやすいので、特に注意が必要」と明記されました。歯周病専門医が、本気で糖尿病のことまで注意を払う時代がやってきたのです。
(1)西田亙:糖尿病療養指導士に知ってほしい 歯科のこと、医歯薬出版株式会社、東京、2018
※参考書籍
「月刊 糖尿病ライフ さかえ 2019年6月号」
日本糖尿病協会