Question
知覚過敏を治すために、自分でもできることがなにかあったら教えてください。
Answer
まずは、生活のなかに隠れている知覚過敏のリスクを見つけてスメア層や再石灰化層を取り戻すことをはじめましょう。軽い知覚過敏なら、習慣や癖を改善したり、必要な対策を打つだけで自然に治る場合も多いです。
ご自身でもできる知覚過敏のリスクチェックをご紹介しますので、チェックしてみましょう。
1.歯ぎしり・食いしばりしていませんか?
過剰な力は歯のヒビ、欠け、咬耗、詰め物や被せ物の傷みの原因に。自分では気づかない癖なので、お口にその痕跡がないか歯科医院で診てもらいましょう。就寝中につけるマウスガードもおすすめ。
2.ゴシゴシみがきはやめましょう
ゴシゴシ強くみがきすぎて、歯を摩耗させたり、歯ぐきを痩せさせていませんか?「どの程度の力でみがくとよいのかな?」と思われる方は、歯科医院で歯みがきの指導を受けましょう。
3.歯みがき不足も大きなリスク
じつは「歯みがき不足」も知覚過敏のリスク。歯にベッタリつく歯垢のなかにむし歯菌の出した酸が溜まり、スメア層や再石灰化を溶かしてしまうのです。やさしくていねいに歯みがきしましょう。
4.すっぱい物の摂りすぎにご注意を!
健康のため積極的に柑橘類を食べ、酢や酢の物を摂るかたが増えています。酸味はからだにはよくても歯には悪いことも多いので、ご自分に合った食べ方を歯科医院で相談してみましょう。
5.熱中症予防になに飲んでますか?
暑い季節の熱中症予防に毎日イオン飲料を飲んでいるかたが多いと思います。イオン飲料は意外と酸性度が高く、チビチビ飲むたび歯が溶けます。ふだんはなるべく水やお茶にしましょう。
6.水泳やジムではいつもスポーツ飲料?
スポーツ時はこまめな水分補給を。しかしスポーツ飲料やビタミン飲料ばかりチビチビ飲むと歯が溶けやすく、そうした歯を食いしばったりゴシゴシみがきすると歯がすり減りやすいです。
7.ヤニとり歯みがき使ってませんか?
ヤニ取り歯みがきは研磨力が強く、ステイン除去機能の高い歯みがき剤も、研磨剤がたくさん入っているものがあるので避けた方が無難。歯磨き剤選びに迷ったら、歯科医院で相談しましょう。
8.お口のなかパサついてませんか?
持病の薬を飲んでいるかたに多いお口のパサつき。薬の副作用で唾液の分泌が減ると、歯の再石灰化とスメア層の形成がスムーズに進みません。また、体調が悪いときも知覚過敏になりやすいです。
9.栄養管理をしっかりしましょう。
- トリプトファン摂取のためにタンパク質の多い食材(鶏むね肉、チーズ、大豆製品など)を食べましょう。
- ビタミンB群(とくにナイアシン)の多い食材(豆類、乳製品、肉類、緑黄色野菜、レバー、魚類など)を摂取しましょう。
- 経血量が多い女性は、鉄の多い食材(レバー、イワシ、カツオ、赤身肉など)を摂取しましょう。
- 鉄の吸収を助けるクエン酸の多い食材(梅干し、レモンなどの柑橘類、酢など)を摂取しましょう。
- ビタミンB1が不足しがちになるため、糖質の摂取を控えましょう。
※参考書籍
「nico 2018.7 クインテッセンス出版」
「歯科でできる実践栄養指導」
監修 山本義徳、著 山本典子 デンタルダイヤモンド社