Question
寝たきりの父がインプラントを入れており、痛みを訴えています。どうしたらいいでしょうか?
Answer
原因療法としては、インプラントを除去するということになるでしょう。しかしながら、外科処置になりますので、多大な負担がかかります。患者さんができる方法は、急性炎症の緩和、病状の進行を阻止する対症療法となります。以下を参考にしてください。
1.ブラッシングの強化
家族や介護者への口腔内(インプラントなど)の状況説明と口腔衛生方法の指導を行い、口腔内の清掃を強化します。
萩原芳幸, 森野智子, 関みつ子, ほか. 介護老人福祉施設における口腔ケアの実態:インプラント治療が施されている入居者への対応および口腔ケアの問題点の抽出. 老年歯医2012; 27; 104-113.
2.機械的クリーニング(CIST:A)
インプラント周囲のプラークや食物残渣、歯石を除去します。
3.殺菌療法(CIST:B)
抗菌薬を用いてインプラント周囲の局所洗浄を行います。
4.抗菌薬療法(CIST:C)
抗菌薬の全身投与や徐放性抗菌薬の局所投与を行います。
5.インプラント周囲炎の深部波及が緩解しない場合
外科処置、インプラントの撤去・スリーピング、インプラント補綴装置の改造(口腔衛生管理を行いやすい補綴装置への移行や改造)など訪問現場での対応は不可能となり、診療室での処置が望ましいです。
※参考書籍 「日本口腔インプラント学会誌 2018.12 vol.31 No.4」