Question
痛みの原因を調べるとき、検査しても痛くない歯が原因とされることがあります。なぜでしょうか?
Answer
様々な診査・検査が行われますが、それらは絶対的なものではありません。問題がない歯に反応がでることを「偽陽性」、問題のある歯に反応がないことを「偽陰性」といいます。
偽陽性を起こす原因
- 疼痛や刺激に対する患者の過剰な意識
- 複根管歯において、歯髄の壊死している根管と健全な根管が混在している場合
- 歯のみに電気刺激を加えることができないために、歯肉が反応した場合
- 被検歯のみに電気刺激を加えることができないために、隣在歯が反応した場合
- 歯髄のC線維が血液供給を失った後もしばらく機能するために、生活反応が出てしまう場合
偽陰性を起こす原因
- 電極と歯がしっかり接触していない
- 絶縁性の非金属に被覆されているために、電気伝導が不十分な場合
- 加齢により歯髄が厚い第二象牙質で被覆されている場合
- 大きな修復や摩耗により厚い修復象牙質や第三象牙質が歯髄を被覆している場合
- 感覚(疼痛)の閾値が高い場合
※参考書籍
「66症例に学ぶ 歯科臨床の問題解決」
Edward W. Odell 医歯薬出版株式会社