Question
骨髄炎、骨炎、骨壊死の違いは何ですか?
Answer
骨髄炎
骨髄炎は、骨髄腔における感染症で、その多くが細菌感染です。感染により髄腔内の内圧が上昇し炎症反応が起こるため、血液供給が圧迫されて骨髄が失活し、骨の一部が壊死します。激しい痛みを伴う急性期の後に排膿が始まり、破骨細胞により壊死骨が分離されて腐骨が形成される。腐骨が除去されれば治癒へ向かうが、除去されなければ腐骨内で感染が持続し難治性となり、慢性化して周囲骨に硬化性変化が生じます。
骨炎
骨炎は、骨表面の炎症であり、ドライソケットで露出した骨などにみられます。小規模の腐骨が形成されることもありますが、感染は髄腔内へ侵入・拡大しません。
骨壊死
骨壊死は、骨が失活した状態であり、その多くは血液供給の途絶や、血管新生阻害薬あるいはBP製剤が原因です。初期の段階では無菌状態ですが、外部への曝露により細菌感染が生じます。骨への放射線照射は動脈内膜炎を誘発し、血管を狭窄させ最終的には壊死させるので、骨壊死に至る場合があります。骨粗鬆症の予防や治療、癌の骨転移、代謝性骨疾患のためにBP製剤を服用している患者において、骨壊死が増加しています。
※参考書籍
「66症例に学ぶ 歯科臨床の問題解決」
Edward W. Odell 医歯薬出版株式会社