Question
フロリデーションのフッ化物濃度は、ヒトの出産や出生率に影響しますか?
Answer
米国歯科医師会の「フロリデーション・ファクツ2005」(NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議編. 口腔保健協会, 2006.で、下記のように解説されています。
フロリデーションはヒトの出産や出生率について有害であるという説得力のある科学的な証拠はありません。
非常に多散のフッ化物摂取は多くの動物の出産に有害な影響を引き起こすとされています。これらの研究結果に基づくと、動物の出産に有害な影響を引き起こすとされたフッ化物濃度は、ヒトが摂取するフッ化物濃度よりもはるかに高い(100~200 ppm)ものです。その結果によって、フロリデーションで用いられるフッ化物濃度(0.7~1.2 ppm)の摂取がヒトの出産に有害な結果をもたらすと結論することは科学的な考え方ではありません。
ヒトを対象とした1つの研究では、地域単位の出生率データを3 ppm以上のフッ化物濃度地域と比較しました。これは、飲料水中の高濃度フッ化物と低出生率との間に関連性があるかどうかを明らかにするために行われました。しかしながら、研究計画と分析に重大な欠陥があったために、この調査では正の相関性を示すことができませんでした。
一方、死産や先天性異常(顔面裂や神経管欠損症)の関連性のリスクを調べた研究から、フロリデーションがこれらの異常の発生に影響するという証拠は何も見い出されていません。
NASのNRCは、最適なフッ化物濃度調整水の飲用では、遺伝への危険要素とはならないという結論を支持しています。
NAS: 米国科学アカデミー(National Academy of Sciences)
NRC: 米国学術研究会議(National Research Council)