Question
よく左右の顔が違うといわれますが、どんな理由が考えられますか?
Answer
歯列や顔面の非対称は、自然に発生する事象である。多くの場合、顔面の左右対応する部分を比較することで顔面の非対称性が検出される。非対称性の病因は以下のように挙げられる。
- 遺伝的・先天的奇形
第一第二鰓弓症候群、片側性の口唇口蓋裂
- 環境的要因
習慣および外傷
- 機能的偏位
例として、歯の干渉による下顎の偏位
歯列の非対称やさまざまな機能的偏位に関しては、矯正的な治療が可能である。一方、重症の顔面構造上の非対称は、矯正歯科治療では容易に改善できない。こうした問題は、成長期における骨格的矯正および/またはその後の外科的な対応が必要となる。現状で存在する大きな偏位に対する患者の不満や要望は、非現実的な期待から関心の喪失まで幅広く、それぞれ対応する必要がある。また軽度の歯列、骨格、軟組織の偏位に関しては、治療の可否を慎重に検討する必要がある。
レビュー:口腔内および顔面の非対称性
Bishara SE, Burkey PS, Kharouf JG. Angle Orthod 1994;64(2):89-98.
※参考書籍
「矯正歯科のための重要16キーワードベスト320論文」
監修 小野 卓史/小海 暁
クインテッセンス出版株式会社