Question

うちの子、歯並びが気になります。いつから治療をはじめるのがいいですか?

Answer

私たちの医院ではなるべく早くはじめることをおすすめしています。

早期治療は、乳歯列期や混合歯列期から実施可能なあらゆる介入や治療を指します。歯性や骨格性の不正を最小限に食い止め、子どもの正常な成長発育や咬合、機能、審美性、精神面を健全な状態へと導きます。つまりこの介入の目的は、咬合が良好に発育する環境を整えることにあります。

目的

乳歯列期や混合歯列期に開始する治療の目的は以下のとおりです。

  • 正常な歯性や骨格性の発育を促す
  • 咬合発育を阻害する環境要因の排除やコントロール
  • 正常な咬合発育のために良好な環境を整える
  • 不正咬合から正常咬合へ改善、あるいは誘導する
  • 2期治療が不必要になる、または2期治療期間の短縮
  • 成長誘導のために成長力を最大限利用する

理論的根拠

早期治療を推奨する根拠として、重要なポイントは以下のとおりです。

  • 咬合発育期の早期では、先天性要因より後天性要因によってさまざまな咬合の変容が生じる
  • 不正咬合は初期であれば予防できることが多く、放置すれば問題はさらに大きくなる
  • 中顔面と下顎骨はほぼ歯列交換期に成長するため、早期治療と成長誘導の利用が有効だと考えられる
  • 低年齢であればあるほど、患者が新しい環境と正常な機能に順応しやすく、治療結果の安定性が増す
  • 幼い子どもは口腔顔面の骨格に柔軟性があるため、咬合誘導が簡単に行える

時期

  • 4~5歳から矯正歯科の検診を開始する
  • 第一大臼歯とすべての切歯の萌出後に治療を開始する

早期治療のゴール

早期介入の戦略と治療法では、以下のようなゴールを目指す

  • 可及的な主病因の排除
  • 問題の改善や抑制、予防
  • 発育期における問題の発見
  • 正常な咬合発育と機能のための環境整備
  • 咬合に悪影響を与える咬合干渉を解くことによってより良い成長誘導を行う
  • アーチサイズディスクレパンシーのマネジメント
  • (オーバージェット過大による)外傷や前歯破折の軽減
  • 早期における骨格性の異常の改善

※参考書籍
 「早期治療」
 著 Alialbar Bahreman
 訳 嶋 浩人/石谷 徳人
 クインテッセンス出版株式会社

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