Question
咬合違和感症候群って何?
Answer
日本補綴歯科学会では、「咬合の異常の有無にかかわらず、咬合の違和感を訴える病態の包括的症候群」と定義しています。
咬合違和感症候群の特徴
1.年齢は20~80歳である
2.発症後の経過は長く、おおむね10年以上である
3.男女比はほぼ同じである
4.歯科治療後の咬合の微妙な変化による顎の動きの変化を受け入れられない
5.正常な咬合感覚を誤って、ないしは過度に認識したりする
6.必ずしも咬合に関する治療が行われていなくても発症する
7.すべての身体症状が咬合に起因していると信じて疑わない
8.ドクターショッピングを繰り返し、心理的、社会的そして職業的損失を受けている
9.頻繁に自分の咬合や顎位のチェックを行う
10.他覚的にみて咬合に異常が認められない場合でも「自分のかみあわせは異常である」と信じて疑わず正常咬合へ執拗にこだわる
11.新たな歯科医院を受診するとき、過去の治療装置(補綴装置やテンポラリークラウン(仮歯)など)、長い手紙や自分で描いた絵などを持参する
12.精神疾患を認める場合でも、精神科の受診を強く拒否することが多く、薬も服用してくれないことが多い
玉置勝司ほか:咬合違和感症候群. 日補綴会誌, 5(4): 369-386, 2013.
この病態の患者さんには原因が未だ不明の点も多く、脳機能との関連性等が報告されています。
豊福 明:歯科心身症への新しいアプローチ. 口病誌, 74(3): 161-168, 2007.
※参考書籍
「対応に困る患者さんたち」
岡田 智雄 著 株式会社 ヒョーロン・パブリッシャーズ