Question
MRONJに罹患したのですが、どんな治療法があるのでしょうか?
Answer
リスクを有する患者
MRONJステージング
■明らかな骨壊死を認めないが、経口的または経静脈的に骨吸収抑制薬や血管新生阻害薬が投与されている患者
治療法
■治療の必要はない
■患者の教育
ステージ0
MRONJステージング
■骨壊死を認めないが、非特異的な臨床所見やエックス線学的変化や症状がある
治療法
■鎮痛薬、抗菌薬使用などの全身的管理
ステージ1
MRONJステージング
■無症状で感染をともなわない骨露出や骨壊死またはプローブで骨を触知できる瘻孔
治療法
■抗菌性洗口薬の使用
■3カ月ごとの経過観察
■患者教育とビスフォスフォネート投与の適応についての再評価
ステージ2
MRONJステージング
■感染をともなう骨露出、骨壊死またはプローブで骨を触知できる瘻孔
■骨露出部に疼痛、発赤をともない、排膿がある場合と、ない場合がある
治療法
■抗菌薬による対症療法
■抗菌性洗口薬の使用
■疼痛コントロール
■軟組織への刺激を軽減させるためのデブリードマンと感染対策
ステージ3
MRONJステージング
■疼痛、感染また1つ以上の下記の症状をともなう骨露出、骨壊死またはプローブで触知できる瘻孔
■歯槽骨を越えた骨露出、骨壊死(例えば、下顎では下顎下縁や下顎枝にいたる。上顎では上顎洞、頬骨にいたる。)その結果、病的骨折や口腔外瘻孔、鼻・上顎洞口腔瘻孔形成や下顎下縁や上顎洞までの進展性骨溶解
治療法
■抗菌性洗口薬の使用
■抗菌療法と疼痛コントロール
■感染ならびに疼痛を長期的に軽減させるための外科的デブリードマン/切除
※MRONJステージング
顎骨の放射線療法の既往がない骨吸収抑制薬と/または血管新生阻害薬を投与された患者で、顎顔面領域に8週間以上治癒しない、骨露出やプローブで触知できる骨
※治療法
病期に関係なく、分離した腐骨片は非病変部の骨を露出させることなく除去するべきである。露出壊死骨内の症状のある歯は、抜歯しても壊死過程が憎悪することはないと思われるので、抜歯を考慮するべきである。
※参考書籍
「薬剤・ビスフォスフォネート関連顎骨壊死 MRONJ・BRONJ」
著・訳 柴原 孝彦 クインテッセンス出版株式会社