Question
マウスピース矯正はワイヤーを使う矯正治療ほどは、歯がスムーズに動かないそうですがどういう動きが苦手なのですか?
Answer
抜歯して歯を大きく移動させること、力を加える方向に倒れた歯の移動など苦手な動きはいろいろあります。補助装置や従来の治療と組み合わせてこの欠点を補って治療してきます。
もちろん患者さんのなかには、テクニックを駆使せずともスムーズに治るケースもあります。しかし、残念ながらそんなケースばかりではありません。そうした場合、補助装置を使ったり、目立たないように奥歯や側面だけワイヤー矯正で動かして置き、目立つ前歯をマウスピース矯正で治すなど、さまざまな引出しを使い、それを組み合わせて治療します。
マウスピース矯正の苦手な歯の移動
1.傾いている歯の移動
ワイヤー+ブラケットの場合
ワイヤーを使うと簡単・確実に移動します。
マウスピース矯正の場合
歯を動かす方向に向かって倒れた歯を立てるのが苦手です。
2.回転
歯を大きく回転させるのが苦手
3. アップライト
引っ張り出すのが苦手
歯を適正に動かすためのいろいろな補助装置
インビザライン®で使用する装置です。
歯にボタンをつけゴムで下の歯を引っ張り上げています。
奥歯と犬歯をゴムでつなぎ、犬歯の傾きを治しています。
歯につけた装置をゴムで引っ張り、歯の傾斜をまっすぐにしています。
目立たない場所でワイヤー矯正をしながら、ゴムで下の歯を引っ張り上げています。
「日本歯科評論」 槙宏太郎 著 vol.75 no.8 P64-74より引用
※こうした補助装置を使う場合、ゴムも毎日きちんとつけていただく必要があります。
最低限の移動で並べるため、エナメル質を削除しスペースを作ることも
1.エナメル質を歯の健康に問題のない範囲で少しだけ削ります。
2.最低限の歯の移動できれいに並びました。
※参考書籍
「nico 2016.7 クインテッセンス出版株式会社」